鶴屋南北戯曲賞、読売文学賞戯曲・シナリオ賞などを受賞した注目の劇作家・桑原裕子率いる劇団 KAKUTA の代表舞台作品「ひとよ」が、豪華キャストで実写映画化決定!今秋全国公開となりました。
15年前、ある家族に起きた一夜の事件。それは、母とその子どもたち三兄妹の運命を大きく狂わせた。一家はあの晩の出来事に囚われたまま別々の人生を歩み、15年後に再会。葛藤と戸惑いの中で、一度崩壊した絆を取り戻そうともがき続ける。抗うことのできなかった家族の岐路と 15 年越しに向き合う一家が辿り着く先とは−−。〈家族の絆〉〈究極の愛のかたち〉を問いかける、感涙のヒューマンドラマが誕生する。
監督は、『凶悪』を送り出して以降、『日本で一番悪い奴ら』(16)、『彼女がその名を知らない鳥たち』(17)、『孤狼の血』(18)など、毎年のように作品・監督・俳優賞を中心に国内賞レースを席巻し、いま、俳優たちが最も出演を熱望する映画監督のひとりである白石和彌。これまでにもタッグを組んで数々の印象的な作品を生み出している脚本・髙橋泉と共に、崩壊と再生を軸にした家族の物語に挑む。
<監督コメント>
「これ以上のない最高のキャストに集まって頂き、少し緊張しています。私自身、この家族がどのような物語を紡いでくれるのか、楽しみで仕方ありません。多くの人の心に突き刺さる作品になるように、毎日を大切にしながら撮影に望みます。楽しみにお待ちください。」
主演は『8 年越しの花嫁 奇跡の実話』(17)で第 41 回日本アカデミー賞優秀主演男優賞を受賞、昨年には、『いぬやしき』(18)、『億男』(18)、そして NHK 連続テレビ小説「半分、青い。」(18)、TBS 系連続ドラマ「義母と娘のブルース」(18)など、話題作への出演が続き、幅広い年齢層から支持されている実力派俳優・佐藤健。15年前の事件に縛られ、家族と距離をおき、東京でうだつのあがらないフリーライターとして働く稲村家の次男、雄二を演じる。
<佐藤健 コメント>
「現場に入るのが非常に楽しみです。白石監督の作品はほとんど観させてもらっていますが、是非いつかご一緒できたらと思っていた方ですので、今回は念願が叶いました。
素晴らしい脚本、共演者、スタッフの皆様との仕事ということで、僕が気負い過ぎずとも良い映画になるであろうというある種の確信をすでに持っておりますが、こんな環境で映画作りに励めることを当然と思わずに、幸せを噛み締めながらも精進していく撮影期間であればと思います。今回のお声がけ大変光栄でした。有難う御座います。」
しがない町の電気屋に勤務し、三兄妹で唯一自身の家庭を持つが夫婦関係に思い悩み、幼少期より人とのコミュニケーションに苦手意識を持つ長男の大樹を、NHK 大河ドラマ「西郷どん」(18)で主役を務め、『燃えよ剣』(20 年公開予定)などへの出演が決定している鈴木亮平、大樹と雄二の妹で、事件によって美容師になる夢を諦め、スナックで働きながら生計を立てる園子を『勝手にふるえてろ』(17)、『万引き家族』(18)の松岡茉優が演じ、映画・テレビドラマと活躍が目覚ましい注目俳優陣が三兄妹として競演する。さらに、15年ぶりに三兄妹との再会を果たす母・こはるを、数々の映画・ドラマへ出演し、近年では日本テレビ系連続ドラマ「anone」(18)などでの芝居が記憶に新しい、名優田中裕子が演じる。
<鈴木亮平 コメント>
「複雑な家族の関係、過去の事件と妻子への思い、吃音の症状。この作品は自分にとって大きな挑戦になるだろうことを今から確信しています。と同時に、この役を「鈴木にやらせてみたい」と思っていただけたことに感謝しています。白石監督、そして素晴らしい共演者の方々と、丁寧に、時に乱暴に心を通い合わせ、皆さんの心に突き刺さる「ひとよ」を作り上げていきたいと思います。」
<松岡茉優 コメント>
「熱い視線でずっと作品を追っていた白石和彌監督とご一緒させて頂けることは私にとって大変嬉しいことでありつつも、今の自分は何が出来るのかバレバレになってしまうだろうなと今から眉尻を下げています。己を知れるというのはとても良いことですから、真っ直ぐ向かっていこうと思います。
家族のお話です。どんな雰囲気になるのか実は想像がつきません。スタッフ、キャストの皆様、宜しくお願い致します。映画ファンの皆様、少し待っていてください。」
白石組初参加となる人気・実力を兼ね備えたオールスターキャストが集い、至高の家族ドラマへ挑むこととなった。本作は今年 5 月よりクランクインし、公開は今秋を予定している。
<原作者コメント>
「自身の所属する劇団公演にむけて「ひとよ」を描いたのは 2011 年の夏、日常を取り戻しているように見えても、東日本大震災の影響がまだ各地で色濃く残る頃でした。私の生まれは福島県で、子供時代は学級休みのほとんどを福島の山に囲まれて過ごしました。だから自分のふるさとが「あの一日の出来事」を境にして、まるで形を変えたかのように違う目で見られるようになったことに、たとえようのないやるせなさを感じていました。これは震災の話ではありませんし、社会を背負うような物語でもありません。が、復興、再生 、絆―そんな言葉が日本中にあふれかえるなか、本当の再生とはなにか、私たちはどう歩み出せばいいのかを、ひとつの家族を通じて、私もまだ見つけられぬまま模索しながら描いた作品でした。
社会の暗がりに目を向け、いびつながらも懸命に生きる人間をこれまで多く描いてこられた白石監督が「ひとよ」を手がけてくださることになり、本当に嬉しく思っています。髙橋泉さんに丁寧な脚本を書いていただけたことにも感謝しています。どうか原作にこだわらず監督ならではの視点で、新たな「ひとよ」を創っていただければと思いますし、蒼々たるキャストの皆さんがどんな風に役へ光を当ててくださるのか、純粋にワクワクしています。きっと素晴らしい作品になる、という予感だけが激しく渦巻いております。そうして生まれ変わる「ひとよ」が、たくさんの皆様のもとへ届き、どこまでも高く遠くへ、旅をしてゆけますように。」
(c)2019「ひとよ」製作委員会