遠いところ 作品情報
とおいところ

沖縄県・コザ。17歳のアオイは、夫のマサヤと幼い息子の健吾と3人暮らし。おばあに健吾を預け、生活のため友だちの海音(ミオ)と朝までキャバクラで働くアオイだったが、建築現場で働いていた夫のマサヤは不満を漏らして仕事を辞め、アオイの収入だけの生活はますます苦しくなっていく。マサヤは新たな仕事を探そうともせず、いつしかアオイへ暴力を振るうようになっていた。そんななか、キャバクラにガサ入れが入り、アオイは店で働けなくなってしまう。悪いことは重なり、マサヤがわずかな貯金を持ち出し、姿を消してしまう。仕方なく義母の由紀恵の家で暮らし始め、昼間の仕事を探すアオイだったが、なかなかうまくいかない。さらにマサヤが暴力事件を起こして逮捕されたと連絡が入る。被害者への多額の示談金が必要になり切羽詰まったアオイは、キャバクラの店長からある仕事の誘いを受ける。
「遠いところ」の解説
沖縄のコザを舞台に、幼い息子と夫と3人で暮らす17歳のアオイが、連鎖する貧困や暴力などの社会の理不尽と闘いながら、悲痛な思いで生きる道を模索していく姿を描いた話題作。監督は行定勲監督などの現場で助監督を務めてきた工藤将亮。初長編監督作「アイムクレイジー」(19)、2作品目「未曾有」(21)に続く本作では4年にわたる沖縄取材を重ねて脚本を執筆した。アオイを演じたのは、これが映画初主演となった花瀬琴音。アオイの夫マサヤ役には「衝動」(21)の佐久間祥朗。夫婦役のふたりは撮影1カ月前から現地に入り、沖縄・コザで実際に生活をして、リアルな感覚を役に反映させた。
公開日・キャスト、その他基本情報
| 公開日 | 2023年7月7日 |
|---|---|
| キャスト |
監督:工藤将亮
出演:花瀬琴音 石田夢実 佐久間祥朗 長谷川月起 松岡依都美 小倉綾乃 NENE 奥平紫乃 高橋雄祐 カトウシンスケ 中島歩 岩谷健司 岩永洋昭 米本学仁 浜田信也 尚玄 上地春奈 きゃんひとみ 早織 宇野祥平 池田成志 吉田妙子 |
| 配給 | ラビットハウス |
| 制作国 | 日本(2022) |
| 年齢制限 | PG-12 |
| 上映時間 | 128分 |
| 公式サイト | https://afarshore.jp/ |
(C)2022「遠いところ」フィルムパートナーズ
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ユーザーレビュー
総合評価:5点★★★★★、3件の投稿があります。
P.N.「SFライター」さんからの投稿
- 評価
- ★★★★★
- 投稿日
- 2025-11-03
イメージ曲として、ファーストシーンに五木ひろしの「夜明けのブルース」(キャバクラ)、前半シーンにマドンナの「ギャンブラー」(マサヤ)、ラストシーンにグリーグの「朝」(水平線の朝日)が合うと思います。のコメントを見た。地上界で体験出来なかった四季・学校・鉄道に乗ることなど体験出来ればとも提案しました。五木ひろしの「愛の始発」も思いついた。「愛の始発」→「愛の海」「この町に今更未練なんかはないのです」→「この世界に」。「明日の始発に飛び乗るのです。二人で遠くの街に行くのです」→「夜明けの海に飛び込むのです。二人で遠くの世界に行くのです」。「この愛を一生守って行こうと」→「永遠に守って行こう」(特に注目,分かりやすいですね」。「あなたは仕事と友達を捨て、私は長年住んだ家をすて」→「この子は施設と職員を捨て」。「命を懸けても悔いない恋に出会った二人は幸せなのです」⇒ラストシーンで首までつかり子供を笑いながら抱き上げた。歌の歌詞が悲しみから幸せに移るのに例え、アオイの表情が悲しみから笑顔(幸せ)に変わった、即ち、二人永遠に一緒で幸せな世界へ行くことである。一つ感服したのは、アオイは歌の歌詞の通りこの世に未練がないと思っても、道端に倒れている親子に「大丈夫?」と聞いてあげた。父は自分に悪い例として、猫が魚を取らないか見ているように言われて、ただ傍観していたということを教えた。まさに「立つ鳥跡を濁さず」だ。その前にホースで飲んだ水が地上界で最後に口に入れたものと思えた。そして、子連れの入水が地上界において母子最後の苦しみとなった。






