P.N.「pinewood」さんからの投稿
- 評価
- ★★★★★
- 投稿日
- 2020-04-23
💃パパラッチに纏われマスコミにも攻撃されプライバシーの無い日常生活では傷付く事が多くて精神的にもきつかった歌姫。ニューヨーク公演では徹夜でチケット売り場に並ぶ熱狂的なファンでコンサート会場は唄う前からスタンデイング・オーベーション。一人の普通な女性としてオナシス氏との真摯な愛と友情,手紙を読むファニー・アルダンの声でも紡がれる本篇の様々な記憶の万華鏡
わたしはまりあからす
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💃パパラッチに纏われマスコミにも攻撃されプライバシーの無い日常生活では傷付く事が多くて精神的にもきつかった歌姫。ニューヨーク公演では徹夜でチケット売り場に並ぶ熱狂的なファンでコンサート会場は唄う前からスタンデイング・オーベーション。一人の普通な女性としてオナシス氏との真摯な愛と友情,手紙を読むファニー・アルダンの声でも紡がれる本篇の様々な記憶の万華鏡
あまり普段映画は見ないが、マリアカラスの生き様が見たくて映画館に足を運んだ。
結果的には古いテープの臨場感がすごく、ライブにいるようにマリアカラスのゴージャスさ、ドラマティックさを堪能できた。つまり「退屈でないオペラ」そのカラスのコンセプトが体感できた。
またカラスといえば恋のために声を失ったというような評判が先回りしがちであるが、映画からは自分の立ち位置を知り、率直に明瞭な意見を述べる大変頭脳の回転のよい女性だったという印象を受けた。またプリマドンナとしての重圧、世間の評判や誤解、責任感等で悩みの多い人生であり、本人はその人生の負の面を克服しようとすると同時に、またアドバンテージも知り尽くしていた気がする。まさにヨーロッパ流の自立した女性そのものである。
いろいろと語りつくされたマリアカラス像にまたひとつ別の見方を提供できた映画ではないだろうか。
貴重のアーカイブから、立体的に浮かび上がる彼女の人生。断片的な情報からは、気性の激しいプライドの高い女性、だったが、とっても聰明で賢く、かつ、人間らしく、また、とても、女性らしい女性であった事に驚く。あれだけのスターでありながら、しっかりとした独りの人間として、自覚を持って生きて、歌も美しさも生き方もすべてが本物であり、こんな生き方ができるんだと改めて驚かせる。約60年前くらいの映像だから、今のようには見れないけれど、生でライヴで聴いている臨場感は映画館ならでは、彼女は今を常にライヴを生きたのですから。悲劇を歌う喜び。すべてが歌う為の人生。
星はマリア・カラスのファンとしての、満足感から来るものです。カラスが触れなかった、語っていなかった事に関しては、ほぼ無いのが、やや残念。映画のコンセプトには則ってるけど。