ファントム 開戦前夜 作品情報
ふぁんとむかいせんぜんや
1968年。アメリカに代表される資本主義とソビエト連邦に代表される共産圏とがにらみあう冷戦は、ベトナム戦争や中ソ対立を経て違う局面を迎えていたが、核の脅威が人々を支配し続けていた。ソビエト連邦の海軍に所属するデミトリー・ズボフ(エド・ハリス)は、長い航海からカムチャッカのリバチー海軍基地に戻ったばかりにも関わらず、中国海軍に払い下げられる予定の潜水艦B-67最後の偵察航海を行うよう司令官マルコフ(ランス・ヘンリクセン)から命じられる。無茶な指令に反発する部下たちを抑えて、デミトリーはやむなく任務を引き受ける。いつものメンバーに加えて、補充兵やB-67に取り付けられた試作装置『ファントム』の実験のために技術者ブルニー(デイビッド・ドゥカブニー)とガーリン(デレク・マジャール)も同乗。さらにデミトリーには、外洋に出るまで開封を禁じられた指令書が渡される。異様な空気の中、B-67は出港。マルコフはそれを見届けると、ひっそりと自殺を図った。航行が進む中、『ファントム』の調整を続けるブルニーとガーリンは、艦長であるデミトリーにも『ファントム』の使い道について説明しないどころか、近づくことすら許さなかった。一方、副長のアレックス(ウィリアム・フィクトナー)は、ブルニーら今回の任務にあたり補充された者たちの身元が判然としないことに気付く。唯一名前のわかった兵士も死亡者名簿に載っているという事態に、ブルニーたちが情報機関KGBの特殊部隊『オズナ』のメンバーではないかと疑うアレックス。デミトリーが指令書を開封すると、アメリカ海軍の動きの監視および新兵器『ファントム』の実験を行うよう書かれていた。パナマ籍のタンカーと接近すると、ブルニーは『ファントム』の起動実験をしたいと主張。しかしデミトリーは何もせずにタンカーをやり過ごす。自室に戻り海軍政治担当官パブロフ(ジョナサン・シェック)と話しあっているうちに、デミトリーは激しい発作を起こす。それは、過去の事故で追った怪我の後遺症だった。B-67とアメリカの原潜が遭遇し、ブルニーはついに『ファントム』を起動させる。するとアメリカ原潜はB-67を置いて去っていく。『ファントム』は別の船の音波を模倣して敵のソナーを欺く偽装装置で、アメリカ原潜はB-67をただのタンカーと誤認したのだった。実験の成功に艦内は沸き立つが、デミトリーとアレックスは『ファントム』があればB-67が搭載する核ミサイルを探知されることなく使えることに気付き、ブルニーらはそれらを奪いにきたテロリストではないかとの疑いを強める。そしてB-67が海軍に報告をする通信点に到達したとき、ブルニーとガーリンはデミトリーらに銃をつきつけ、デミトリーが過去B-67で起こした事故を暴露し、艦を乗っ取る。ブルニーらはKGB特殊部隊『オズナ』のメンバーで、『ファントム』を用いて中国艦に偽装しアメリカ軍へ攻撃、アメリカと中国との戦争を誘発させソ連が覇権を握るという計画を立てていた。デミトリーたちは艦を奪還し核ミサイルの発射を阻止すべく立ち上がる……。
「ファントム 開戦前夜」の解説
冷戦時代を舞台に、核ミサイルと『ファントム』と呼ばれる秘密兵器を搭載した潜水艦内での攻防を描いたアクション。アメリカとソビエト連邦が繰り広げた『プロジェクト・ジェニファー』と呼ばれる諜報戦の契機である、ハワイ沖で消息不明となったソビエト連邦潜水艦を題材にしている。監督・脚本は「ロンリーハート」のトッド・ロビンソン。極秘任務を命じられた潜水艦長を「ポロック 2人だけのアトリエ」のエド・ハリスが、特殊工作員をテレビドラマ『X-ファイル』シリーズのデイビッド・ドゥカブニーが演じている。ほか、「ローン・レンジャー」のウィリアム・フィクトナー、「エイリアン2」のランス・ヘンリクセンらが出演。
冷戦時代にあった“プロジェクト・ジェニファー”と呼ばれる諜報戦に基づく軍事スペクタクル。ソ連の潜水艦の艦長デミに新しい指令が下る。潜水艦に〈ファントム〉という試作装置と技術者たちを乗せて航海に出るが、彼らには恐るべき目的があった。
公開日・キャスト、その他基本情報
公開日 | 2013年10月12日 |
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キャスト |
監督:トッド・ロビンソン
出演:エド・ハリス デイヴィッド・ドゥカヴニー ウィリアム・フィクトナー ランス・ヘンリクセン ショーン・パトリック・フラナリー ジョナサン・シェック ジェイソン・ベギー デレク・マジャール ダグマーラ・ドミンスク ジェイソン・グレイ=スタンフォード キップ・パルデュー ジュリアン・アダムズ |
配給 | 角川書店 |
制作国 | アメリカ(2012) |
上映時間 | 97分 |
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