るにん 作品情報
るにん
『鳥も通わぬ』と謳われた孤島「八丈島」に、島流しにされた男女が棲息していた。江戸・吉原に火付けをした罪で流人となった花魁・豊菊(松坂慶子)は、島役人・稲葉重三郎(根津甚八)に流人仲間の罪を密告し、男たちに体を売って生き延びてきた。それもただひたすら“御赦免状”を貰い、再び江戸へ帰るためだ。しかし、待てど暮らせど御赦免状は届かない。稲葉が自分の体をただ弄んでいたことを知ると、豊菊は稲葉の股間を刀で斬り付けた。逆に稲葉の怒りを買った豊菊は、折檻を受ける。心身共にボロボロになった豊菊を介抱したのは、博打の罪で流人となった新人の喜三郎(西島干博)だ。豊菊が嘆き悲しむ姿を見て、喜三郎は優しく抱擁しながら、江戸へ連れて行ってやることを誓う。翌日から喜三郎は海を見渡せる崖に座り、潮の流れを観察する。八丈島の風土・文化を研究している元・武士の流人・近藤富蔵によると、7月になれば無潮の海を舟で抜けられる時があるという。そんな喜三郎の企みを察して、豊菊同様、吉原の火付けの罪で流人となった花鳥がすり寄ってきた。色仕掛けで喜三郎に迫る花烏だが、豊菊を愛する喜三郎は毅然と突っぱねる。男たちの慰め者であり、自分より遙かに年を得た豊菊に女として負けたと自暴自棄になった花鳥は、島の男たちをけしかけて“抜け舟”を決行する。だが役人に見つかって連れ戻され、“ぶっころがし”の刑に処される。命を張って江戸へ戻ろうとした花鳥の姿を見て、豊菊は遂に抜け舟を決意する。豊菊、喜三郎たちを乗せた和船は八丈島を静かに離れ、困難の末に江戸へ帰還する。仲間たちと別れ、花鳥の両親に花鳥の最期を伝えに行く豊菊と喜三郎だが、奉行所に通報され逃亡する。豊菊を逃がそうとして殺された喜三郎の後を追うように、豊菊は捕えられ、斬首刑となるのだった。
「るにん」の解説
江戸時代末期、幕府によって1862人が流罪となった八丈島にまつわる史実をベースにした歴史大作。たった一人「抜け舟」に成功した実在の人物をモデルに、極限状況に置かれた男女の生と性を追求する。監督は「少女~an adolescent」」の奥田瑛二。出演は「精霊流し」の松坂慶子、本作が映画初出演となるバレエダンサーの西島干博。
公開日・キャスト、その他基本情報
公開日 | 2006年1月14日 |
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キャスト |
監督:奥田瑛二
出演:松坂慶子 西島千博 小沢まゆ 麻里也 玄海竜二 金山一彦 なすび 濱本康輔 大久保鷹 ひかる 島田雅彦 諏訪太朗 掛田誠 下元史朗 島田洋八 奈良坂篤 辰巳佳太 勝呂元博 藤井勢二 森本武晴 大槻修治 原昇 草野速仁 三浦伸子 梶村ともみ 浦里はるみ 吉村明宏 津山登志子 坂西良太 熊谷藤子 江口ナオ 森康子 今野ひろみ 赤松由美 久保和明 閔東旭 阿部泰之 森禎司 坂本裕一郎 鈴木景介 飛田敦史 山西右悟 横川徳久 佐藤吉紀 川口篤 滝川英次 林真理子 安藤和津 浅葉克己 井沢元彦 藤原優 高野孟 片岡長次郎 根津甚八 奥田瑛二 |
配給 | 東京テアトル |
制作国 | 日本(2004) |
上映時間 | 149分 |
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ユーザーレビュー
総合評価:5点★★★★★、1件の投稿があります。
P.N.「水口栄一」さんからの投稿
- 評価
- ★★★★★
- 投稿日
- 2024-01-13
私は昔から松坂慶子さんの大ファンだ。だからこの映画を観たのだ。これは江戸末期の史実をベースにしているが、人生の命題を見事に追求していると思った。私はこの映画を観ながら、あらためて生とは何か、性とは何かについて考えさせられた。松坂慶子さんはやはり、凄く美しい。演技も最高だ。これまでに松坂慶子さんを観るたびに震えるような感動を覚えたが、今回もほんとに素晴らしいと思った。