アンジェラの灰 作品情報
あんじぇらのはい
世界的大恐慌の1930年代。ニューヨークで出会って結婚したマラキ(ロバート・カーライル)とアンジェラ(エミリー・ワトソン)は5人の子供をもうけていたが、生活が貧しく、生まれたばかりの娘マーガレットの死を機に、一家で故郷アイルランドのリムリックへ戻ることに。小さな部屋を借りた彼らの生活は、仕事もないのにプライドだけは高い酒飲みのマラキのせいで一向に楽にならない。アンジェラだけが子供を守るために奔走する。そんな母の姿を見守り続ける長男フランク(少年期:キアラン・オーウェンズ)は力強く成長。学校では作文の才能を認められたりもした。やがて父マラキはイギリスへ単独出稼ぎに出掛ける。しかし何の連絡も金も届かない。フランクは石炭運びの仕事を始めるが、結膜炎になり断念。そしてクリスマス。帰国した父は、無一文のままだった。再び出ていった彼はそのまま蒸発。ついにアパートから追い出された一家はいとこの家に厄介になる。フランク(青年期:マイケル・リッジ)は学校をやめ、家を出て、電報配達人として働き始める。いつしか、彼の心にアメリカへの夢が芽生え始める。一生懸命金を貯めたフランクは、ついにアメリカ行きの船に乗り込むのだった。
「アンジェラの灰」の解説
アイルランドの貧しい家族の姿を描いた感動ドラマ。監督・脚色・製作は「エビータ」のアラン・パーカー。医師役で出演もしている。原作はフランク・マコートが自らの少年時代を綴ったピュリッツァー賞受賞の同名小説。音楽は「スター・ウォーズ エピソード1」のジョン・ウィリアムス。出演は「クレイドル・ウィル・ロック」のエミリー・ワトソン、「ワールド・イズ・ノット・イナフ」のロバート・カーライル、新鋭のマイケル・リッジ、キアラン・オーウェンズ、ジョー・ブリーンほか。2000年ロンドン映画批評家協会最優秀主演女優賞、ラスヴェガス映画批評家協会最優秀作曲賞を受賞。
公開日・キャスト、その他基本情報
公開日 | 2000年10月28日 |
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キャスト |
監督:アラン・パーカー
原作:フランク・マコート 出演:エミリー・ワトソン ロバート・カーライル マイケル・リッジ キアラン・オーウェンズ ジョー・ブリーン ロニー・マスターソン ポーリーヌ・マクリーン リーアム・カーニー イーナ・マクリアム |
配給 | アスミック・エース |
制作国 | アメリカ アイルランド(1999) |
上映時間 | 145分 |
ユーザーレビュー
総合評価:4点★★★★☆、1件の投稿があります。
P.N.「グスタフ」さんからの投稿
- 評価
- ★★★★☆
- 投稿日
- 2019-09-30
1930年代のアイルランドを舞台に、極貧生活でも常に前向きに生きる少年の直向きな姿を描いたアラン・パーカーの力作。アイルランドの貧しい時代を描いた作品は多いが、このパーカーの演出ほどリアリティーを感じられるものはない。堅実な仕事に勤しむことが出来ない父の無収入の所為で、子育てに追われ精神的肉体的に限界を超える母親が哀れ極まりない。主人公の母に対する愛情が唯一の救いだが、親戚の家に間借りする状況での母の不貞に、愛情の裏返しで厳しいものになるところが見事な表現。進学を諦め郵便配達の仕事に従事するエピソードは、ユーモアと適度のセンチメンタルで描かれ、微笑ましい青春スケッチになっている。
エミリー・ワトソン、ロバート・カーライル地味ながら感情を抑えたいい演技をみせる。主人公フランクを演じた子役含む三人の配役もすべて良く、パーカーの演出の上手さを再確認する。