荒城の月(1954) 作品情報

こうじょうのつき

遠くアルプス連峯を望んで丈なす雑草、苔むし荒れ果てた古城のほとり、そこにある町に住む女学生敦子は、斜陽とは云え名門松平頼治の一人娘で、父は町のために流用した資金が返済されず日夜苦しんでいた。丁度その頃新興財閥にのし上った大沼壮太郎の息子壮平から、敦子を是非にとの縁談話がもち上っていたが、敦子には恋する男がいた。それは壮平の学友の高瀬雪雄であった。雪雄は東京の大学に行っていたが、夏休みは父の勤める大沼ホテルでアルバイトをするかたわら、テニス大会に敦子と共に出場していた。その会場に突然敦子の父の自殺の報がもたらされた。悲嘆にくれる敦子に、壮平の父は、負債の償却を条件に壮平との結婚を迫るのだった。憤然とこれを拒絶した敦子は、城跡で雪雄と愛情を誓い合ったが、翌朝になって、敦子は置手紙を残して何処ともなく姿を消した。今は希望も消えた雪雄を、壮平の妹みね子が慕う様になっていた。そして或る日、みね子の誘いを断り難く京都に行った雪雄は、そこで図らずも舞妓姿の敦子を見出したが、それを知った敦子は再び彼の前から姿を消した。だが過ぎし日の誓いを破り、旦那を持つ破目に至った敦子は、雪雄にもう一度会ってわびようと、舞妓姿のまゝ故郷を目ざした。折柄故郷の町は市制をしくことになって、その記念にと敦子の祖父の記念碑が建てられた。その除幕式で再会した雪雄と敦子、二人はもう永久に別れまいと心に誓うようになったのであった。

「荒城の月(1954)」の解説

『平凡』連載の川口松太郎の原作を松山善太が脚色し、「母時鳥」の枝川弘が監督する。撮影は「花のいのちを」の渡辺公夫、音楽は「芸者秀駒」の古関裕而が当る。出演者は「月よりの使者(1954)」の若尾文子、根上淳、船越英二、八潮悠子、「螢草」の市川春代、「太陽のない街」の清水将夫などである。

公開日・キャスト、その他基本情報

キャスト 監督枝川弘
原作川口松太郎
出演若尾文子 清水将夫 市川春代 根上淳 宮島健一 滝花久子 井上節子 蔵方しげる 船越英二 東野英治郎 八潮悠子 星ひかる 狩野新 見明凡太朗 青山敬治 酒井三郎 杉森麟 高見貫 杉山明 津田駿二 松村若代 浦辺粂子 青島純子 香住佐代子
制作国 日本(1954)
上映時間 98分

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最終更新日:2022-07-26 11:03:48

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