戦艦大和 作品情報
せんかんやまと
昭和二十年三月末。大平洋戦争も終末に近かった。沖縄周辺に集まった米艦船めがけ、特攻隊は連日出撃、これに呼応して一挙に敵をたたき戦勢挽回の最後の機会をつかもうと「天一号作戦」の実施が決定した。日本海軍のこりの艦艇をあつめて--戦艦大和、巡洋艦矢矧以下駆逐艦十隻が、瀬戸内海三田尻冲を進発した。空中護衛もなく、燃料も片道の死の出撃、である。伊藤第二艦隊司令長官は当初この無謀な作戦に反対しつづけたが、一旦決定をみるや、欣然これに服した。必然の死に直面して乗員たちの心はひとつとなった。米市民権をもつ二世中谷少尉や許婚の写真をポケットに入れている学徒出陣の森少尉は兵学校出の同僚から平生なにかと白眼視されがちだったが、今はそれも解けた。兵への士官たちの態度もおだやかである。一次室では若手士官らが死について論争をはじめる。納得のゆく死を希う予備学生出身の士官、恂国一本やりの江田島出。双方をなだめたのは室長の臼淵大尉である。「進歩のないものは決して勝てん。負けて目ざめる。目ざめ、蘇える新日本のために俺たちは死ぬのだ」--明くれば四月七日。早暁からマーチンの接触が始まり、正午過ぎ、グラマンの第一波が来襲、息つく間もなく第二、第三波が上空を蔽って魚雷、直撃弾の命中は数しれない。乗員はみるみる倒れ、機銃、高角砲--主砲までが或いは吹飛び、或いは操作不能となって今は七万二千トンの巨体も絶好の爆撃目標でしかない。三十五度からやがて九十度に傾斜した大和はやがて数多の人命もろとも天に冲する火柱をのこして爆沈した。
「戦艦大和」の解説
いわゆる戦記物のトップをきった吉田満の「戦艦大和」を「アジャパー天国」の八住利雄が脚色、「恋人のいる街」の阿部豊・横山実が監督・撮影にあたった。音楽は「雨月物語」の早坂文雄。「銀二郎の片腕」の藤田進、「闘魂」の伊沢一郎、「アジャパー天国」の高島忠夫、「むぎめし学園」の舟橋元、「憲兵」の片山明彦などが出演する。
公開日・キャスト、その他基本情報
キャスト |
監督:阿部豊
原作:吉田満 出演:高田稔 小川虎之助 佐々木孝丸 藤田進 見明凡太朗 関千恵子 瀧花久子 伊沢一郎 有田稔 片桐余四郎 河合健二 丹波哲郎 川部守一 中原謙二 和田孝 高島忠夫 片山明彦 舟橋元 小笠原弘 菅沼正 千明みゆき 大邦一弘 |
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配給 | 新東宝 |
制作国 | 日本(1953) |
上映時間 | 104分 |
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