炎の城 作品情報
ほのおのしろ
約四百年の昔、瀬戸内海沼岸に偉容を誇る一城があった。王見城というり城内は、明国から帰ってくる若君王見正人の噂でもちきりだった。だが、正人の留学中に、父勝正を謀殺、城主の位を奪った正人の叔父師景と腹臣の六角直之進、今は師景の妻となっている正人の母時子は、正人の帰国を不安の面持で迎えた。正人は、師景の暴政の数々を耳にし、狂気をよそおって帰城した。だが、正人の狂気も、彼を愛する雪野の目をあざむくことはできなかった。正人は、ある夜、父勝正の血にまみれた亡霊を見た。父の死に疑いをもった正人は一計を案じた。猿楽の一座を招き、師景、時子に天皇を刺し殺した后サビメの古事記の一節を見せた。時子は悲鳴を上げ、師景は席を立った。正人は、ある日、誤まって雪野の父直之進を刺してしまった。正人は直之進の墓前で雪野に会った。すべてを許す雪野を、彼は振りはらわねばならなかった。雪野は死んだ。師景は奸智をめぐらし、雪国の兄祐吾と正人の決闘を図った。師景は、水瓶に毒を入れ、祐吾の剣にも毒を塗り、弓隊まで準備した。祐吾は毒のため血を吐いて倒れ、弓隊は正人をかばう時子の胸を射抜いた。その時、農民一揆の大群が城内になだれこんだ。城は炎上、正人は師景を倒した。
「炎の城」の解説
「ぼく東綺譚(1960)」の八住利堆の脚本を、「あやめ笠 喧嘩街道」の加藤泰が監督した日本版“ハムレット”。撮影は「妖刀物語 花の吉原百人斬り」の吉田貞次。
公開日・キャスト、その他基本情報
キャスト |
監督:加藤泰
出演:大川橋蔵 大河内傳次郎 高峰三枝子 明石潮 薄田研二 伊沢一郎 三田佳子 黒川弥太郎 坂東吉弥 香川良介 河野秋武 水野浩 岡島芝子 五里兵太郎 鈴木金哉 浜田伸一 壬生狂言社中 波多野博 河村満和 田中亮三 嵐歌之介 汐路章 智村清 石丸勝也 滝川浩 春路謙作 源八郎 牧淳子 南郷京之助 相原昇三郎 神木真寿雄 西条菊太郎 |
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配給 | 東映 |
制作国 | 日本(1960) |
上映時間 | 98分 |
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ユーザーレビュー
総合評価:5点★★★★★、1件の投稿があります。
P.N.「PineWood」さんからの投稿
- 評価
- ★★★★★
- 投稿日
- 2016-08-02
本編を東京京橋のフイルムセンター加藤泰監督特集で見ました。シェークスピアのハムレットの見事な翻案劇として見応えがあります。農民一揆シーンも秀逸…。三田佳子が綺麗♪