喜劇 夫婦善哉 作品情報
きげきめおとぜんざい
大阪の化粧品問屋の一人息子柳吉は、楽天的な遊び人で妻子がありながら、芸者蝶子と深い仲になっていた。父の柳平はそんな柳吉に呆れ、勘当してしまった。だが柳吉は、これ幸いと蝶子の家に転り込み、二人で新世帯を張った。情の深い蝶子はそんな柳吉のために芸者をやめ、ヤトナ稼業に精を出すのだった。ある日、柳吉は友人の隅田から、妹の筆子が養子を迎えると知らされた。それは柳吉の廃嫡を意味した。一度は財産を分けてもらおうとした柳吉だが、もともと、店を継ぐことはあきらめてもいたので、筆子から三百円貰うと、それを元手に、「関東煮屋・蝶柳」を飛田の一画に開店した。しかし、店が軌道に乗って蝶子も喜んでいた矢先、柳吉は大病にかかった。ぐうたらな柳吉も見舞いに来た自分の娘久子を見ると、父親の愛情を覚えるのだった。やがて退院した柳吉は温泉に療養に出かけたが、蝶子はその費用を作るため、身を粉にして働かねばならなかった。しかし、蝶子は元気な姿で戻った柳吉を見た時、自分の苦労が報われた喜びで思わずうれし涙を流した。一方、柳吉は女給に手を出したりして、蝶子を悲しませていたが、そんな時、柳平が亡くなった。柳吉は父の前で蝶子と晴れて夫婦の名乗りを上げようとしたが、結局、周囲の人は蝶子の入籍を認めなかった。久子と柳吉と、三人で暮したいと願っていた蝶子には打撃だった。ある日、彼女はガス自殺を計った。幸い、蝶子は危ないところで命をとりとめた。そんな蝶子の、切羽つまった気持ちを初めて知った柳吉は愕然として、これからは蝶子に尽そうと、秘かに心に決めるのだった。やがて、その年も終った。蝶子と柳吉は生駒聖天にお参りした。より添う二人の肩に粉雪が静かに舞い落ちていた。
「喜劇 夫婦善哉」の解説
織田作之助の原作「夫婦善哉」(新潮文庫版)を、森崎東と土井行夫が共同で脚色し、「そっくり大逆転」の土居通芳が監督した人情喜劇。撮影は「夜のひとで」の平瀬静雄。
公開日・キャスト、その他基本情報
キャスト |
監督:土居通芳
原作:織田作之助 出演:藤山寛美 野川由美子 松本染升 御陵多栄子 河村有紀 平山謹子 中村是好 初音礼子 萬代峰子 南田洋子 北村英三 財津一郎 大泉滉 曽我廼家一二三 曽我廼家鶴蝶 長門裕之 小島慶四郎 桂米朝 華かおる 柳沢真一 白川淳子 花村美津子 石島康代 |
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配給 | 松竹 |
制作国 | 日本(1968) |
上映時間 | 115分 |
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