座頭市の歌が聞える 作品情報
ざとういちのうたがきこえる
座頭市は高崎で殺気を漂わせた浪人黒部玄八郎とすれ違った。市はその日、宿外れでやくざに襲われた為吉を救ったが、すでに深手を負っていて、市に財布を託すと言切れた。市は盲目の琵琶法師と道連れになった。一の宮は祭礼なのに門前の店はほとんど閉じていた。おかん婆さんの茶店に入った市は、おかんが為吉の母だと知った。市は為吉の息子太一に財布を渡した。町の人は板鼻権造一家の暴力に悩んでいた。権造一家は市にいやがらせをした。市はやむを得ず居合の妙技を見せた。太一はそんな市に憧れた。市は宿場女郎のお蝶にあんまを頼まれた。二人は心の触れあうのを感じた。弥平爺さんの上洲屋で、市は再び法師に会った。法師は太一がやくざに憧れるのは市のせいだと批判した。構造一家が押しかけてきた時、市は抵抗しなかった。だが、一家が上洲屋の娘お露をさらおうとするのに怒って居合で斬った。それを太一は見ていた。お蝶の亭主は黒部玄八郎だった。玄八郎はお蝶を身受けするため、権造に五十両で市を斬ると約束した。一家は上洲屋に乱入し、おかんを人質にした。市は仕込杖を捨てた。しかし、一家は弥平を斬り、市をも斬ろうとした。市は太一の助けで仕込杖を手に入れた。だが権造の作戦で八方から太鼓が乱打され、市は聴覚を封じられた。市は法師が、修業とは死ぬことだといった言葉を想い出した。市の心の眼は澄みきった。そして必死に斬りまくり、最後に玄八郎と対決した。一瞬の後、玄八郎は倒れた。市は権造が町の人から無理にとった金を取返し、お蝶の身受けの金も取った。そして隙をみて斬り込んだ権造を斬った。法師は太一に、本当に偉い人はやくざでないと教えた。市はお蝶の家に五十両を届けて去った。お蝶が市の後を追いかけようと外に出た。その時すでに、市は朝焼けの道に消えていた。
「座頭市の歌が聞える」の解説
子母沢寛の原作を「若親分喧嘩状」の高岩肇が脚色、「新・兵隊やくざ」の田中徳三が監督した“座頭市”シリーズ第十三作目。撮影は「刺青(1966)」の宮川一夫。
公開日・キャスト、その他基本情報
キャスト |
監督:田中徳三
原作:子母沢寛 出演:勝新太郎 天知茂 小川真由美 佐藤慶 浜村純 吉川満子 小村雪子 東三千 町田政則 水原浩一 伊達三郎 堀北幸夫 木村玄 玉置一恵 藤川準 西岡弘善 石原須磨男 薮内武司 黒木英男 谷口和子 |
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配給 | 大映 |
制作国 | 日本(1966) |
上映時間 | 82分 |
ユーザーレビュー
総合評価:4点★★★★☆、1件の投稿があります。
P.N.「オーウェン」さんからの投稿
- 評価
- ★★★★☆
- 投稿日
- 2023-11-26
この「座頭市の歌が聞える」は、勝新太郎主演のシリーズ13作目の作品だ。
盲目で、居合の達人、座頭市のアキレス腱は、耳だ。
普段は、耳が眼の役割を果たしているが、この耳を封じさえすれば、もう両手両足をもぎ取ったようなものだと、ヤクザの親分(佐藤慶)は、悪知恵を働かせる。
こうして、祭り名物のかみなり太鼓を、八方から乱打されて、耳の勘を狂わせられた座頭市は、絶体絶命の危機に陥るという見どころがある。
宿場女郎(小川真由美)をめぐる浪人(天知茂)と座頭市の剣と恋の鞘当てが、もう一つの見どころだ。
この宿場女郎は、実は浪人の恋女房で、座頭市が女郎から貰ったかんざしを、そっと浪人に返して立ち去って行くあたりも、さすらいのヒーロー座頭市ならではの、泣かせる演出だ。