馬鹿が戦車でやって来る 作品情報
ばかがたんくでやってくる
海釣りに来た中年の男と若い男は、船頭から海辺にある“タンク根”のいわれを聞かされた。その昔日永村は変った人間ばかりが住んでいた。この村はずれに貧しい一家が住んでいた。家族は、少年戦車兵あがりで農器具の修理をしているサブと、オシで頭のよわい兵六、それにツンボの母親とみの三人暮しだ。この“汚れの一家々”といわれているサブたちは村中からのけものにされていた。村には、業つくばりの長者仁右衛門をはじめ、村会議員の市之進、セックスに明けくれる赤八、たねの夫婦。それに最近村に赴任したばかりの百田巡査などだ。なかでも仁右衛門とサブは、寄るとさわると喧嘩ばかりしていた。というのも、戦後農地解放で小作人のサブに分けてやった農地を、欲のつっぱった仁右衛門が取返そうとしているからだ。だが仁右衛門の娘紀子だけはサブ一家の味方だった。紀子は長い間病床にあったが、秋祭りが近づくころには、若い医者新吾の看病で起きあがれるようになった。やがて秋祭り。紀子は二年ぶりで村を歩いた。そんな紀子の姿を何よりも喜んだのはサブであった。紀子に誘われて全快祝いにかけつけたサブだったが、仁右衛門はにべなくサブを追い出した。腹のおさまらないサブは村中を暴れまわり、警察送りとなった。その弱みにつけこんだ市之進は、親切めかしにとみに金を貸しつけ盲判でサブの土地を抵当としてまきあげてしまった。それから数日サブの家から突然旧陸軍のタンクがとび出し、仁右衛門、市之進をはじめとして村中を踏みつぶしていった。が、その時兵六が火の見櫓で鳥の真似をして、櫓から落ちて死んだ。暴れまわったサブは、兵六の死体をタンクに乗せると、いずこともなく去っていったというのだ。--船頭の話はここで終った。
「馬鹿が戦車でやって来る」の解説
団伊玖磨の原案を「いいかげん馬鹿」の山田洋次が脚色・監督した“馬鹿シリーズ”第三作目。撮影もコンビの高羽哲夫。
公開日・キャスト、その他基本情報
キャスト |
監督:山田洋次
出演:松村達雄 谷啓 東野英治郎 ハナ肇 犬塚弘 飯田蝶子 花澤徳衛 菅井一郎 田武謙三 小桜京子 常田富士男 天草四郎 小沢昭一 渡辺篤 穂積隆信 岩下志麻 高橋幸治 |
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配給 | 松竹 |
制作国 | 日本(1964) |
上映時間 | 93分 |
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