孤独 作品情報

こどく

伸一と浩二は腹ちがいの兄弟だ。伸一はかつて、大学ボクシングのチャンピオンで、今はアマチュアのチャンピオンを狙っていた。一方浩二も、大学ボクシングのチャンピオンを、とろうとしていた。兄弟の生甲斐はボクシング以外の何ものでもなかった。が、そんな二人を穹子は激しく憎んでいた。穹子の恋人進は、以前大学のチャンピオンの座を伸一と争い、執拗に打ちまくる伸一のストレートを顔面に受け、両眼失明の危険にさらされていた。アマチュア選手権の当日、伸一は、たび重なる穹子の誘惑に体調を狂わせ、マットに沈んだ。一方浩二は見事に大学チャンピオンの座についた。穹子はさらに、浩二にも誘惑の手をのばした。そんなある日、沖で泳いでいた穹子が鮫に襲われた。伸一は逃げ、浩二が穹子を助けた。そして浩二は激しく伸一を糾弾し、二人は凄絶な乱闘を始めた。しかし居合せた、別荘番の老人と女中きぬ子がこの争いに割って入って、ことなきを得た。--この別荘番の老人こそ、浩二の母の昔の恋人だったのだ。かつて浩二の母は、この老人を愛しながら伸一の父に乱暴され、浩二を残して、一人自殺したのだった--老人の告白に胸をえぐられた浩二は邸を出る決意をした。穹子もまた浩二と行を共にすることを望んだ。しかし病院に帰った穹子はそこで進の眼が恢復の余地のないことを知った。穹子は、捨てないでくれと、必死で哀願する進を見すてることは出来なかった。穹子は進を一緒に車に乗せ、浩二の待つ崖の上を走り抜けると、そのまま、車もろとも海へ沈んでいった。夏も終り兄弟は各々に別れて、海鳴りが追いかけるようなこの町を後にするのだった。

「孤独」の解説

「花の舞妓はん」の桜井義久がシナリオを執筆「花の舞妓はん」の市村泰一が監督した青春もの。撮影もコンビの倉持友一。

公開日・キャスト、その他基本情報

キャスト 監督市村泰一
出演橋幸夫 高城丈二 ジン福田 桑野みゆき 早川保 藤原釜足 真理明美 菅原文太 江美しのぶ 八木俊郎 松井美津代 園田哲也 鈴木千恵子 松元栄太郎 南房江 香西謙二郎 狩野朔子 北竹章浩 滝まり子 津田朋子 深山悦子
配給 松竹
制作国 日本(1964)
上映時間 93分

ユーザーレビュー

レビューの投稿はまだありません。

「孤独」を見た感想など、レビュー投稿を受け付けております。あなたの映画レビューをお待ちしております。

最終更新日:2022-07-26 11:03:51

広告を非表示にするには