さすらい(1962) 作品情報
さすらい
薄暮の東京港。精悍そうなマドロスがポケット・モンキーを肩に、ボロ貨物船から下りた。彼--佐竹正二は三年前まで江崎サーカスの空中ブランコ乗りだったが、コンビの塚田が曲芸中に墜落死をとげたのを自分の責任としてサーカス稼業をやめ、貨物船で働いているのであった。上陸第一夜、彼はキャバレー・パロマの笠松社長に用心棒になってくれと口説かれた。笠原と貸金の取り立てに黒木サーカスへ出かけた正二が、監視役を買って出て黒木サーカスに寝泊りする気になったのは、亡き塚田の恋人美也子がそこで働いていたからである。そんなとき、空中ブランコの花形で美也子に恋する津川浩が大ケガをした。正二の得意の早射ちも、呼びものを失ったサーカスの人気を挽回することはできなかった。石堂というブランコ乗りが雇われた日、小屋の裏手からあがった怪火は黒木サーカスに大打撃を与えた。正二は見えない敵に戦意を燃やした。やがて、それは乗ッ取りをたくらむ笠松の仕業と知った正二は、彼と手を切って黒木サーカス再建につとめた。恩人江崎団長からテントを借りた正二は、美也子や浩を相手に空中ブランコに妙技を見せて、大喝采を浴びた。自分に敵意を抱く石堂との技くらべにも、正二は凱歌をあげた。かくて、黒木サーカスは、昔日の人気をとり戻すことができた。海外公演のプロモーターであるウィリアムの注文で、ヘリコプターに取りつけたブランコ曲技のテスト当日、笠松は美也子と浩の搭乗機に時限爆弾を仕掛けたが、正二の決死的活躍で爆弾は海上に投下され、初のヘリコプターブランコは成功をおさめた。黒木サーカスが鹿島だちの日、前非を悔いた石堂が正二に、笠松の秘密を告げた。塚田の死は笠松が江崎サーカス乗っ取りのために仕組んだ大芝居で、その手先が石堂だったという。正二の疑いは晴れた。黒木一座を乗せた汽船が岸壁を離れた。正二は美也子と浩の倖せを祈りながら、ポケット・モンキーを肩に夕闇の港町を去って行った。
「さすらい(1962)」の解説
「野獣の門」の小川英が脚本を執筆、「大平原の男」の野口博志が監督した歌謡メロドラマ。撮影は「機動捜査班 暴力」の松橋梅夫。
公開日・キャスト、その他基本情報
キャスト |
監督:野口博志
出演:小林旭 松原智恵子 平田大三郎 沢本忠雄 佐々木孝丸 高原駿雄 南風夕子 弘松三郎 神戸瓢介 里実 和田悦子 荒井八重子 島村謙次 水木京二 二本柳寛 深江章喜 古田祥 木下雅弘 雪丘恵介 鹿島貞夫 菅井一郎 上野山功一 近江大介 ハロルド・コンウェイ 緑川宏 峰三平 山之辺潤一 二階堂郁夫 須田喜久代 平塚仁郎 玉井謙介 本目雅昭 志方稔 今川英二 後藤勝義 林浩子 橘田良江 夏今日子 本間節子 |
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配給 | 日活 |
制作国 | 日本(1962) |
上映時間 | 90分 |
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