青幻記 遠い日の母は美しく 感想・レビュー 2件

せいげんきとおいひのはははうつくしく

総合評価5点、「青幻記 遠い日の母は美しく」を見た方の感想・レビュー情報です。投稿はこちらから受け付けております。

P.N.「平井 茂」さんからの投稿

評価
★★★★★
投稿日
2025-10-18

学生のときたまたまみた映画。
私も二十歳の時母を失くしているので、灌漑深かった。
キャストも豪華だった。田村高広、殿山泰司、賀来敦子等。
東京映画祭でもその後上映された。上映終了後親族が駆け付けた。監督が成島藤一郎カメラマン。薄幸の母は今は私の住んでいる八王子市の高尾霊園に眠る。一度墓まりに行く。沖永良部島から母を呼んで今では親子同じ墓に眠る。私の姪の娘も沖永良部に嫁いだ。なんという奇縁。かなしくせつない映画。何度も見たくなるのはなぜだろうか?お佐和さんの墓まりにいきたくなった。今度は花束を持って。

P.N.「グスタフ」さんからの投稿

評価
★★★★★
投稿日
2019-10-14

日米開戦直前に公開された前篇に続いて、翌年の2月に公開された、溝口の完璧主義を貫く”忠臣蔵”。限りなく史実を追求した見せ場の少ない真山青果の原作を、女性を描くことを得意とする溝口が映画化する。後編は、仇討ちを望む富森が、甲府宰相徳川綱豊の催す能狂言に来た吉良を殺そうとするシークエンスから始まり、大石が瑤泉院に討ち入りを隠し別れを告げる劇的さが、その後の残された手紙と危急の知らせで盛り上がる。この女二人の場面の演出が素晴らしい。そして、討ち入りの戦闘シーンは省かれて、義士47人がそれぞれお預けされた場面がまた素晴らしい。花を贈られ死を覚悟するも、余興に熱中するシーンのカットバック。磯貝の許嫁おみのが男装して現れ、かつての愛の証を求める女の嘆きが、赤穂浪士ひとり一人の運命を暗示する。ワンショット・ワンシーンの持続した集中力で描かれた侍の矜持が、女性描写でさらに浮かび上がる溝口演出。磯貝に続く大石の顔から切腹の敷地に静かに移動するラストカットの厳粛な雰囲気が、最後を見事に締めくくります。

最終更新日:2025-10-28 16:00:01

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