悪魔の手毬唄(1977) 作品情報
あくまのてまりうた
古い因襲に縛られ、文明社会から隔離された岡山と兵庫の県境、四方を山に囲まれた鬼首村(オニコベムラ)。青池歌名雄は、葡萄酒工場に勤める青年。歌名雄には、由良泰子という恋人がおり、仁礼文子もまた、歌名雄が好きであった。この由良家と仁礼家は、昔から村を二分する二大勢力であった。しかし、二十年前に、恩田という詐欺師にだまされ、それ以来由良家の、勢いはとまってしまい、逆に仁礼家が前にもまして強くなった。その時、亀の湯の源治郎、つまり歌名雄の父親が判別のつかない死体でみつかった。この事件を今も自分の執念で追いかけているのが磯川警部。磯川は、ナゾをとくために、金田一耕助に調査を依頼する。金田一は、最初に恩田と特にかかわりがあった多々良放庵に会う。その頃、村では大騒ぎ。というのも、別所千恵が、今では人気歌手・大空ゆかりとなり、今日はその千恵の里帰りの日であった。その晩、千恵の歓迎会の時に、第一の殺人事件が起きた。泰子が何者かによって殺されたのだった。そして、泰子の通夜の晩、葡萄工場の発酵タンクの中に吊り下げられて死んでいる文子を発見。この二つの殺人事件には、この地方につたわる、手毬唄の通りに行なわれていることを金田一は発見。そして、文子の通夜の晩、犯人は、千恵に入れかわっている里子を殺してしまう。この犯人は、青池リカで、里子は、母親が犯人であることを知り、千恵の身がわりになったのである。金田一の捜査により、恩田と源次郎は同一人物であることがわかる。そして、恩田=源次郎は、千恵、泰子、文子の実の父親であった。リカは、それらの娘たちと血のつながる歌名雄をいっしょにできないと思い娘たちを殺してしまったのである。リカは、犯行を自供後、沼に入って自殺を測る。
「悪魔の手毬唄(1977)」の解説
古い因習と二大勢力、仁礼家と由良家の対立する鬼首村に次々と怪奇な連続殺人事件が突発するという横溝正史の同名小説の映画化。脚本は久里子亭、監督は「犬神家の一族」の市川崑、撮影も同作の長谷川清がそれぞれ担当。
公開日・キャスト、その他基本情報
公開日 | 1977年4月2日 |
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キャスト |
監督:市川崑
原作:横溝正史 出演:石坂浩二 岸恵子 北公次 永島暎子 渡辺美佐子 仁科明子 草笛光子 頭師孝雄 高橋洋子 原ひさ子 川口節子 辰巳柳太郎 大羽五郎 潮哲也 永野裕紀子 富田恵子 若山富三郎 加藤武 中村伸郎 大滝秀治 三木のり平 山岡久乃 林美智子 白石加代子 岡本信人 常田富士男 小林昭二 辻萬長 |
配給 | 東宝 |
制作国 | 日本(1977) |
上映時間 | 144分 |
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ユーザーレビュー
総合評価:4.67点★★★★☆、3件の投稿があります。
P.N.「pinewood」さんからの投稿
- 評価
- ★★★★★
- 投稿日
- 2018-09-16
市川崑監督作品のタイトルやキャスト・スタッフを表示する冒頭のタイポグラフィーの美学、そして時に瞬時に織り込まれる独特なアップでの表情の変化やmonochromeの美、其の巧みな編集加工、jazzな伴奏曲、市川崑ワールドの醍醐味何だねえ!