家族ゲーム 作品情報
かぞくげーむ
中学三年の沼田茂之は高校受験を控えており、父の孝助、母の千賀子、兄の慎一たちまで、家中がピリピリしている。出来のいい慎一と違って、茂之は成績も悪く、今まで何人も家庭教師が来たが、誰もがすぐに辞めてしまうほどの先生泣かせの問題児でもある。そこへ、三流大学の七年生、吉本という男が新しく家庭教師として来ることになった。吉本はいつも植物図鑑を持ち歩き、海に近い沼田家に船でやって来る。最初の晩父の孝助は吉本を車の中に連れていくと、「茂之の成績を上げれば特別金を払おう」と話す。吉本は勉強ばかりか、喧嘩も教え、茂之の成績は少しずつ上がり始める。一方、慎一は、家庭教師を付けてもらい、両親の心配を集める茂之と違って、手がかからず、それだけに寂しそうだ。茂之は幼馴染みで同級生の土屋にいつもいじめられていたが、勉強のあと、屋上で殴り方を習っていた甲斐があってか、ある日の放課後、いつものように絡んでくる土屋をやっつけることが出来た。そして、茂之の成績はどんどん上がり、ついに兄と同じAクラスの西武高校の合格ラインを越えてしまう。しかし、茂之はBクラスの神宮高校を志望校として担任に届け出る。これに両親は怒り、志望校の変更を吉本に依頼する。吉本は学校に駆けつけると、茂之を呼び出し、担任の前に連れていくと、強引に変更させる。しかし、何故、西武高校に行きたくないのか、その疑問を慎一にぶつけた。慎一は秘密ということで、茂之は土屋と同じ高校に行きたくないのだと話す。それは、小学生の頃、授業中に茂之が大便をもらしてしまったことを土屋が知っているからだと言う。バカバカしい理由に吉本と慎一は大笑いする。土屋は私立高校に行くことになり、茂之は西武高校にみごと合格し、吉本の役目は終り、お祝いをすることになった。その席で、孝肋は、最近ヤル気を失くしている慎一の大学受験のための家庭教師になって欲しいと話す。しかし、一流大学の受験生に三流大学の学生が教えられるわけはないと吉本は断った。そして、吉本は大暴れをして食事は大混乱となるのだった……。
「家族ゲーム」の解説
高校受験を控えた中学生の子供のいる家族と、その家にやって来た家庭教師の姿を描く。本間洋平の同名の小説の映画化で、脚本、監督は「ピンクカット 太く愛して深く愛して」の森田芳光、撮影は「俺っちのウエディング」の前田米造がそれぞれ担当。
公開日・キャスト、その他基本情報
公開日 | 1983年6月4日 |
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キャスト |
監督:森田芳光
原作:本間洋平 出演:松田優作 伊丹十三 由紀さおり 宮川一朗太 辻田順一 松金よね子 岡本かおり 鶴田忍 戸川純 白川和子 佐々木志郎 伊藤克信 加藤善博 土井浩一郎 植村拓也 前川麻子 渡辺知美 松野真由子 中森いづみ 佐藤真弓 小川隆宏 清水健太郎 阿木燿子 |
配給 | ATG |
制作国 | 日本(1983) |
上映時間 | 106分 |
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ユーザーレビュー
総合評価:5点★★★★★、1件の投稿があります。
P.N.「pinewood」さんからの投稿
- 評価
- ★★★★★
- 投稿日
- 2018-10-02
本ホームドラマの緊迫感は夏目漱石原作の映画化「それから」にも見られた…。森田芳光監督が8ミリ自主映画として学生時に撮影・編集・演出した映画「ライブイン茅ヶ崎」は茅ヶ崎人の若人が東京に繰り出すロード・ムービーで笑顔が堪えないリリカルな作品、そしてヴィム・ヴェンダース監督作品すら一寸想わせる何ともエモーショナルなフィルムで在った。でも其の青春の絵日記見たいな〈トウキョウへの憧憬〉の根底には一抹の不安感・緊迫感が宿って居たんだろうね!きっと?????