海峡 作品情報

かいきょう

昭和二十九年、青函トンネル技術調査団の阿久津が調査を開始した直後、青函連絡船「洞爺丸」が転覆し、大量の遭難者を出した。阿久津は冬の竜飛岬で牧村多恵という女を救った。彼女は福井の旅館で、不注意から出火を招き十一人の泊り客を死なせた暗い過去があった。阿久津に救われ、飲み屋の女将おれんに預けられた夜、おれんの出産に立ち会った多恵は一人の生命を誕生させたことによって生きる勇気を取り戻す。その赤ん坊は、阿久津によって峡子と名付けられた。「青函トンネルは技術的に可能」と中央に答申した三十二年から、阿久津は明石海峡調査の辞令が下り津軽海峡に心を残しながらも、故郷の岡山に戻った。その間、阿久津は佳代子をめとり、修をもうけた。昭和三十九年、日本鉄建公団が発足し、青函トンネル工事に本腰が入り、阿久津は再び青森に向う。所長、浜口圭介以下、二十五名のトンネル男が函館に集結した。阿久津はまず人集めに取りかかり、トンネル掘りのベテラン、岸田源助を口説いた。関門、深坂など、いくつもの難工事を手がけた源助が参加すれば、彼を慕うトンネル男たちが追いて来る。「もう年だよ」といいながらも、源助は申し出を受けた。四十一年から調査斜坑掘削が開始され、公団第一期生の募集に成瀬仙太が応募してきた。仙太は、母の腕に抱かれ洞爺丸から浜に打ち上げられ、その時、両親を失っていた。仙太は津軽の海を掘ることで、両親の復讐をしたかったのかも知れない。竜飛に、源肋、阿久津、仙太の三代の男が集まり、彼らを、おれん、多恵、峡子が見まもった。阿久津の妻、佳代子は烈風の吹く竜飛に住むことを諦め、岡山で修を育てた。工事は困難を極め、数年が過ぎた。阿久津は年をとり、修は大学生になっていた。そして、阿久津がトンネルと戦っている間に、故郷の岡山で父が死んだ。トンネルに大出水が出た日、源助が死んだ。しかし、阿久津の決断から先進導坑が救われた。本州から北海道へ、風の吹き抜ける日が目前に迫っている。

「海峡」の解説

本州と北海道の間にトンネルを掘ろうとする男達と、彼らを見つめる女たちの姿を描く。岩川隆の同名の原作の映画化で、脚本は井手俊郎と「漂流」の森谷司郎の共同執筆、監督も森谷司郎撮影は「駅/STATION」の木村大作がそれぞれ担当。

公開日・キャスト、その他基本情報

公開日 1982年10月16日
キャスト 監督森谷司郎
原作岩川隆
出演高倉健 吉永小百合 三浦友和 大谷直子 青木峡子 伊佐山ひろ子 東野英心 小林稔侍 中川勝彦 富川徹夫 小林昭二 新田昌玄 北村和夫 山谷初男 桑山正一 藤田進 大滝秀治 小沢栄太郎 笠智衆 森繁久彌
配給 東宝
制作国 日本(1982)
上映時間 142分

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ユーザーレビュー

総合評価:5点★★★★★、1件の投稿があります。

P.N.「pinewood」さんからの投稿

評価
★★★★★
投稿日
2023-07-19

海の日の翌日,青函トンネル等を舞台にした本篇を視聴。ねぶた祭りのダイナミックなシーンも挿入されて魅せる森谷司郎監督

最終更新日:2023-07-29 16:00:01

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