モード家の一夜 作品情報

もーどけのいちや

あと数日でクリスマスを迎えるという日曜日、地方都市クレルモンフェランに移り住んでいた技師で敬虔なカトリック教徒である「私」(ジャン・ルイ・トランティニャン)は教会のミサに出かけた。そこで見かけたフランソワーズ(マリー・クリスティーヌ・バロー)が祈りを捧げる横顔に心を奪われ、彼女こそ自分の妻になる女だと確信する。ある日、「私」はレストランでかつての同級生で、今は大学で哲学を講じるヴィダル(アントワーヌ・ヴィテーズ)と14年ぶりに再会し、彼に誘われてモード(フランソワーズ・ファビアン)の家を訪れる。モードは離婚経験もある美しい女医。パスカルの哲学、キリスト教、結婚などについてクリスマスの三人の会話がはずむ。夜が更けて雪が降りだし、ヴィダルは帰ったが、「私」はモードのうながすまま泊まることになった。翌朝、町で見かけたフランソワーズに初めて声をかけ、車で彼女をアパートまで送るが雪道で車が動かなくなり、そのままアパートの別々の部屋で一夜を過ごす。彼女は妻子ある男との関係が忘れられずにいたのだが、すべてを認めたうえで「私」は心をうちあける。そして数年後、妻となったフランソワーズと子供を連れた「私」は避暑地の海岸で、偶然にもモードと再会する……。

「モード家の一夜」の解説

二人の女性に魅惑されるある男の生活を描く。製作総指揮はバーベット・シュローダー、ピエール・コトレル、製作はアルフレッド・ド・グラーフ、ピエール・グランベール、監督・脚本は「緑の光線」のエリック・ロメールで、『六つの教訓話』シリーズの第三作目にあたる。撮影はネストール・アルメンドロスが担当。音楽はモーツァルトの「バイオリンとピアノのためのソナタ」が使用されている。出演は「悲しみのヴァイオリン」のジャン・ルイ・トランティニャン、「マダムクロード」のフランソワーズ・ファビアン、「スワンの恋」のマリー・クリスティーヌ・バローほか。

公開日・キャスト、その他基本情報

公開日 1988年11月23日
キャスト 監督エリック・ロメール
出演ジャン・ルイ・トランティニャン フランソワーズ・ファビアン マリー・クリスティーヌ・バロー アントワーヌ・ヴィテーズ マリー・ベッカー Anne Dubot R. P. Guy Leger Leonide Kogan
配給 ユーロスペース
制作国 フランス(1968)

ユーザーレビュー

総合評価:5点★★★★★、1件の投稿があります。

P.N.「オーウェン」さんからの投稿

評価
★★★★★
投稿日
2024-05-20

この映画「追想」はハリウッド映画界から追われていたイングリッド・バーグマンが、7年ぶりに復活を果たした作品で、彼女の演技の素晴らしさを堪能出来る、そんな作品です。

主人公のアナスタシアにイングリッド・バーグマン、山師のボーニンにユル・ブリンナーという凄い顔合わせで、ロシア帝国のロマノフ王朝のたった一人の生き残りのアナスタシア王女を巡って展開する、サスペンス・タッチの歴史ドラマだ。

ロシア革命から、辛くも逃げ延びたと伝えられる、ロマノフ王朝の王女アナスタシアに絡む、"恋と陰謀"を、「将軍たちの夜」の名匠アナトール・リトヴァク監督が情感たっぷりに描いた、見応えのあるドラマになっていると思う。

この映画の最大の魅力は、何と言っても、彼女は本当にアナスタシアなのか? ----というサスペンス・ミステリータッチの要素が強いところだろうと思う。
イングリッド・バーグマン演じる記憶喪失の女性の"ミステリアスな雰囲気"が、実に素晴らしい。

最終更新日:2024-05-30 16:00:01

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