P.N.「オーウェン」さんからの投稿
- 評価
- ★★★★★
- 投稿日
- 2024-05-14
二人の男と一人の女の愛のトライアングルとくれば、恋愛映画、とりわけフランス映画の定番だ。
この手のラブ・ロマンスが魅力あるものになるかどうか、第一のキーポイントは、”女”。
誰が見ても、二人の男から熱烈に愛されるに相応しい女性でなければ、やはり、リアリティに欠けるし、観ていてシラケてしまうだろう。
その点、ロミー・シュナイダーは、まさにハマリ役だ。
特に、男たちの間で微妙に揺れ動きながらも、あくまでも、男の所有物になることを拒み、コケティッシュなくらい自由奔放に振る舞う、その生き様が、何とも小気味良い。
そんな彼女に逃げられて、共同生活をしながら、失恋の痛手を癒し合う男二人の、思わず苦笑したくなるような可笑しさ。
クロード・ソーテ監督の端切れの良い、流暢な演出が冴え渡っていると思う。
エスプリとユーモアと、そこはかとない皮肉の効いた、大人向けの愛の物語だ。