マックス、モン・アムール 作品情報

まっくすもんあむーる

優雅なアパルトマン、恵まれた報酬と約束された地位、美しく知的な妻、しつけよく育てられた一人息子、住み込みのフランス人のメイド。仕事らしい仕事はほとんどなくて、3ヵ月先の女王のパリ訪問の予定をたてるのがせいぜい、というのがパリ駐在のイギリス大使館員ピーター(アンソニー・ヒギンズ)の毎日だった。そんな夫婦生活が崩壊するような事件が起きた。妻マーガレット(シャーロット・ランプリング)に愛人ができて、夫のピーターに内密でアパートを借りているようなのだ。私立探偵を使って調べてみると、相手はなんと人間ではなく、大きなオスのチンパンジーのマックスだった。動物園で眼と眼が合ってお互いにひかれたのだ、とマーガレットは言う。嫉妬と驚嘆の両極の中で、ピーターはマックスを家に呼んで、奥の部屋に檻を作って同居させる。最初、環境の激変からか元気をなくしていたが、一人息子のネルソン(クリストファー・ホビック)と仲よくなり、徐々に元気を取り戻していった。しかしピーターが気になるのはマーガレットとマックスの仲だった。檻の中で何をしている、と聞くピーターに、「そんなに気になるなら鍵穴からのぞけば」と答えるマーガレット。それが大きな悩みとなって同僚で愛人のカミーユ(ダイアナ・クイック)との関係もギクシャクしはじめる。久しぶりにエレーヌ(ニコール・カルファン)らの友人を招いてホームパーティを開くがマックスの存在が知れ、客たちはそそくさと帰ってしまう。ある日、ピーターはマーガレットの留守を狙ってストリート・ガールのマリア(ヴァクトリア・アブリル)を檻の中に入れ、裸にさせた。チンパンジーと人間の女がSEXできるのかどうか、実験したのだが、マックスがおびえてしまい、試みは失敗に終った。女王陛下のパリ訪問公式旅行が迫ったころ、マーガレットが母の入院介護のため家をあけた。マックスはその日から食物を食べなくなった。女王陛下が観劇された夜、ついにピーターは大使館員の身分を捨てて家に飛び帰った。もし今夜、マックスをマーガレットに会わせなければ、死んでしまうかも知れない。ぐったりしたマックスを抱いて、マーガレットのもとに急いだ。久々の再会でマックスは元気になり、パリに帰った親子三人とマックスの新しい生活が始まった。

「マックス、モン・アムール」の解説

一見幸福そうに生活している美貌の英国大使館員夫人とマックスという名のオスのチンパンジーの愛情、周囲の困惑を描く。製作は「乱」のセルジュ・シルベルマン、監督は「戦場のメリークリスマス」の大島渚、「ダントン」のジャン・クロード・カリエールの原案を大島渚とカリエール自身が共同で脚本化。撮影はラウール・クタール、音楽はミシェル・ポルタル、美術はピエール・ギュフロワ、編集はエレーヌ・プレミアニコフ、“マックス”スーパーヴァイザーは「グレイストーク ターザンの伝説」のリック・ベイカーが担当。出演はシャーロット・ランプリング、アンソニー・ヒギンズほか。

公開日・キャスト、その他基本情報

公開日 1987年5月23日
キャスト 監督大島渚
出演シャーロット・ランプリング アンソニー・ヒギンズ ダイアナ・クイック ベルナール・ピエール・ドナドュー ビクトリア・アブリル ニコール・カルファン クリストファー・ホビック
配給 東宝東和
制作国 フランス(1986)
上映時間 97分

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ユーザーレビュー

総合評価:5点★★★★★、1件の投稿があります。

P.N.「pinewood」さんからの投稿

評価
★★★★★
投稿日
2018-06-20

6月1日付け日本経済新聞の文化欄に是枝裕和監督の「内向き日本に危機感」と言う記事が載っていた。次回作はフランスでフランスのクルーで撮る件で大島渚監督の本編等が連想された。大女優ジュリエット・ピノシュとのコラボレーションが実現すれば楽しみである。大島監督の本編ではシャーロット・ランプリングで在ったけれども…。言葉の違いを超えるのがサイレントに起源を持つ映画言語の本来の姿、一体どんな作品が出来るのだろうか。ドキュメンタリーなタッチを活かすだろうから、例えば「アデル、ブルーは熱い色」見たいな…?

最終更新日:2023-05-26 02:00:05

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