マニトウ 作品情報
まにとう
サンスランシスコの近代的な病院イエルサレムに、28歳のカレン(スーザン・ストラスバーグ)という不思議な患者がやってきた。なぜ不思議かというと、彼女の首のうしろの小さな腫瘍が時々動くのである。不安な彼女は昔のボーイフレンドのハリー(トニー・カーティス)に意見を求めた。今、ハリーは心霊研究家として自宅が占いをしていた。ひさしぶりの再会に一夜を共にする2人。その夜、カレンは、「パナ、ウィチィ・サリトウ」とつぶやく。今こそハリーにははっきりした。カレンは何物かにとりつかれている--。早速カレンの腫瘍の切開手術が行なわれようとした。しかしヒューズ医師(ジョン・セダー)がメスをにぎったとたん、彼の右手は何物かにあやつられるように左手を切り込んだ。今こそ、カレンの背中に移った腫瘍が、この手術をさまたげようとしていることは、はっきりした。ハリーはそこで、すでに引退している祈祷師アメリア(ステラ・スティーブンス)をたずねる。彼女の力でカレンにとりついている悪霊を払おうとしたのだ。テーブルを囲んで降神が始まる。と、突然テーブルに恐形相のインディアンの首が浮び上がり、強風が吹いて部屋の内はメタメタになった。一体、何物が……?ハリー達は、呪術の権威ドクター・スノウ(バージェス・メレディス)をたずねる。ドクターによれば、カレンにとりついている霊魂は、400年前のある祈祷師のものだというのだ。しかも、それを呼びもどし、対話するには同じインディアンの祈祷師しかいないと……。ハリーは早速、祈祷師探しに出かける。あらゆるところでことわられた彼も、ようやくジョン(マイケル・アンサラ)という祈祷師をくどきおとし、サンスランシスコへつれてきた。その頃、カレンの切開手術を再び行なおうとして、失敗し、彼女は今、ベッドにしばりつけられている。到着したジョンは、早速、カレンのベッドの周囲に、動物の首を砕いてつくった粉をまいた。こうして輪をつくっておけば、悪霊はこの外には出てこられない。やがて外は嵐となり、カレンに陣痛が始まった。「ミスカマカス」という名を吐く、カレン。今、彼女の背中より、悪霊が誕生する。ジョンはその名を聞いて唖然とした。なんとその名は、悪霊の中でも最も邪悪のものではないか--!カレンの背中から、やがて、手が、そして--。今、悪魔の申し子ミスカマカスがその醜悪な姿を世に現わした。やがて病院はパニック状態と化す。そのフロアは総て凍りつき、ジョンが大地の霊、天の、水の、火の霊等をもっても、ミスカマカスはビクともしなかった。こうなった以上、ミスカマカスの前に屈服しなくてはならないのか。だがハリーは諦めなかった。ミスカマカスを破るには、現代科学のテクノロジーの霊があるのではないかと。今、そして病院のコンピューターのエネルギーを集中させる。すると、電子のエネルギーが、カレンの肉体に入り、病室は果てしない宇宙へと変わった。そして星のかなたにミスカマカスがおり、カレンはベッドの上にすわってエネルギーを発射したのだ。それはハリーのカレンへの愛の力でもあった。その力が、マニトウの中で最も崇高な愛のマニトウを呼んだのだ。奇跡が起こった。今、大宇宙の中で、カレンとミスカマカスの戦いが始まる。そしてミスカマカスはやがて力つき、ほろんでしまう。再び、世界に平和がもどった。しかし、ミスカマカスは、本当に滅んだのであろうか--?
「マニトウ」の解説
ある女性の背中より400年前の霊魂が、再び世に生まれ出てくる姿を描く。製作総指揮はメルビン・G・ゴーディ、製作・監督は「アニマル大戦争」のウィリアム・ガードラー、脚本はウィリアム・ガードラーと卜ーマス・ポープ、原作はグラハム・マスタートン(日本ヘラルド映画出版局刊)、撮影はミシェル・ユーゴー、音楽はラロ・シフリン、特殊効果はジーン・グリッグ、オプチカルはデイル・テイトが各々担当。出演はスーザン・ストラスバーグ、トニー・カーチス、マイケル・アンサラ、ステラ・スティーブンス、ジョン・セダー、アン・サザーン、バージェス・メレディスなど。日本語版監修は明日香欽一。ドルビー・サウンド・システム。CFIカラー、パナビジョン。1978年作品。
公開日・キャスト、その他基本情報
公開日 | 1978年4月15日 |
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配給 | 日本ヘラルド映画 |
制作国 | アメリカ(1978) |
上映時間 | 103分 |
ユーザーレビュー
総合評価:4点★★★★☆、1件の投稿があります。
P.N.「オーウェン」さんからの投稿
- 評価
- ★★★★☆
- 投稿日
- 2023-11-27
ある女性の背中から、400年も前の霊魂が生まれ出て来る。
果たして、どこまでオカルティックな楽しさを味わわせてくれるのかが、この映画の最大の見どころだ。
まずは、手が出て、やがて悪魔の申し子が醜悪な姿を現わし、病院のフロアは凍りつき、やがて病室は、果てしない宇宙へと変わってゆく。
特殊効果をふんだんに使っての畳みかけは、なかなかの迫力だ。
悪魔の申し子は、現代科学のテクノロジーの霊と戦い、力尽きるが、本当に滅びたのか?
この終わり方も、不気味な余韻を残して、実にいいと思う。