マーティ 作品情報

まーてぃ

ニューヨークのブロンクスで肉屋に働いているマーティ(アーネスト・ボーグナイン)は誠実な青年だが、生まれつきの醜男のため結婚もせずに母のピッレッティ夫人(エスター・ミンチオッティ)と2人暮しをしていた。良い相手があったら早く身をかためたいとあせっていたのだが、善良で内気な彼は気の利いた言葉で女を誘い出すことすらできなかった。土曜日の夜、アンギーやジョーなどの仲間と集っていると、母から電話がかかって、従弟夫婦が来ているからすぐに帰って来てくれといって来た。トーマスとヴァージニアの夫婦は姑のキャサリンとの間がうまくいかないので、キャサリンをマーティの家に置いてくれないかというのだった。キャサリンは母の妹だからマーティは賛成した。マーティは肉屋の店を主人から買い受けて自分で経営したいと思っていたので、銀行に勤めているトーマスに金融のことで相談してみると、トーマスは機嫌よく承知して、ヴァージニアと帰って行った。夕食後、マーティはアンギイとダンスホールへ行った。すばしこいアンギーはいち早く相手を見つけて踊り出すが、マーティは相変らず、まごついていた。だが、1人淋しそうにテーブルに坐っている娘(ベッツイ・ブレア)が眼にとまった。彼女は友だちと一緒に来たのだが、パートナーとなった青年は彼女があまり魅力のない娘なので置き去りにしたのだった。自分のみじめな立場に気がついた娘は、そっとバルコニーに出て泣いている様子だった。マーティは遠慮深く声をかけて、彼女と踊ってから近くの喫茶店で遅くまで話し込んだ。娘はクララといって教養もあり、学校の女教師をしていた。マーティと同じように、風采があがらないために苦しみをなめて来た娘だった。マーティはクララを自分の家に連れて来た。クララを彼女の家まで送ったマーティは翌日の日曜日に電話をかける約束をして別れた。その日曜日になったが、朝からキャサリンが引っ越して来たり、教会へ出かけたりして落ち着かない。クララは家にいてマーティからの電話を待った。正午をすぎ夕方になった。その頃、マーティはいつもの仲間と酒場にいた。クララが醜いとか魅力がないといって、電話をかけさせなかった連中もいざとなると相手もなく、どこへ行こうという当てもないのだった。やがてマーティはやっと決心がついた。「俺は彼女に電話をかけるんだ。相手が醜くかろうが、心がきれいだったらいいじゃないか!」といい捨てるとマーティは電話ボックスへとび込んで行った。

「マーティ」の解説

ハロルド・ヘクトとバート・ランカスターの設立したヘクト=ランカスター・プロの作品で1955年度カンヌ映画祭で国際大賞を受けている。原作は1954年、ドナルドソン賞とシルヴニア賞の2つを得たパディ・チャイエフスキーのテレビ劇。これを原作者のチャイエフスキーが映画にアダプトして脚色した。テレビ演出家のデルバート・マンが処女監督に当たり、撮影は「帰らざる河」のジョセフ・ラシェル、音楽は「太平洋作戦」のロイ・ウェッブ。出演者は「恐怖の土曜日」のアーネスト・ボーグナイン、ジーン・ケリー夫人のベッツイ・ブレア、イタリア劇壇の名女優エスター・ミンチオッティの他、新人たちが顔をそろえている。ハロルド・ヘクト製作になる1955年作品。

公開日・キャスト、その他基本情報

配給 松竹外画部
制作国 アメリカ(1955)
上映時間 91分

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最終更新日:2022-07-26 11:04:02

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