北西への道 作品情報
ほくせいへのみち
1750年頃のアメリカは英国の統治下にあったが、新大陸に領土拡張を企図するフランスが凶悪なインディアンを手先として、英人開拓者に残虐な妨害を企てていたため紛争が絶えなかった。血の気の多い造船業者の息子の青年画家ランドン・タウン(ロバート・ヤング)はハーバード大学に在って教師を風刺したため放校されメイン州キタリイの我が家に帰ったが、婚約者エリザベス(ルース・ハッシー)の父のブロウン牧師と前途の職業のことで衝突し、婚約破棄を申渡され、憤懣の余り酒に勢をかりて植民地監察官ジョンスン卿の悪口をいい危うく逮捕されそうになった。ランドンはジョンスン卿を悪罵して捕らえられていた奮友のハンク・マリナア(ウォルタア・ブレナン)と街をのがれる途中の街道で、ロバート・ロジャース少佐(スペンサア・トレイシイ)と知り合った。フランス側のインデアンの根拠地の急襲を計画中のロジャース少佐は二人を説いて、自分の討伐隊に参加させる。討伐隊の目的地は聖フランシスのインデアン集落であったが、途中行程は言語に絶する困難なものであった。彼らは仏軍に発見されぬ様、夜間だけ水路を進んで行ったが、途中で道案内のインデアンの裏切りのため、負傷した四分の一の隊員を後送し、僅か200名足らずの部隊となったが、ロジャース少佐の強い意志の指揮よろしきを得、22日の行軍の末、ついに目的地に到着した。部隊は暁と共に聖フランシスの集落を奇襲し、イギリス人に暴虐行為をふるったインデアンを殲滅した。しかし、彼らが当にしていた食糧は焼けており、帰路は往路に勝る苦難なものとなった。戦闘で腹部に重傷を負ったランドンは幾度か落伍しかけたが、ロジャース少佐の激励と、集落で救われた白人の女ジエニー(イザベル・ジュウェル)に介抱されながら隊列を追って行った。食糧の欠乏のため、ロジャース少佐の指揮も徹底せず、食料を求めるため途中で四隊に分かれて分進し、集結点のウェントワースの砦に着いたのはロジャース少佐の率いる一隊のみであった。瀕死の隊員はようやく救援隊の到着に生気をとり戻し、喚起をあびてポーツマスに帰った。ロジャース少佐の指揮する討伐隊は英国王の新たなる命令により、北西の路を太平洋岸まで開拓するため、再び出発しなければならなくなった。エリザベスと結婚し、英国に絵画修業に行くことになったランドンは、一行を感慨ぶかく見送った。
「北西への道」の解説
「影なき男の影」のハント・ストロンバーグが製作し、「摩天楼」のキング・ヴィダーが監督に当った1940年度作品のテクニカラー映画。ベスト・セラーとなったケネス・ロバーツの歴史小説を「地球を駈ける男」のローレンス・ストーリングスと「情炎の海」のタルボット・ジェニングスが脚色、撮影はテクニカラー会社付きのシドニー・ワグナーとウィリアム・V・スコールが当り、音楽は「仔鹿物語」の故ハーバート・ストサートが作曲指揮している。主演は「火の女」のスペンサー・トイレシー、「花嫁売ります」のロバート・ヤング、「西部の男」のウォルター・ブレナンの三人で、「大編隊」のルース・ハッシー、「巨星ジーグフェルド」のナット・ペンドルトン、ルイズ・ヘクター、「ジャンヌ・ダーク」のロバート・バラット、「ラヴ・レター」のラムスデン・ヘーアらが助演している。
公開日・キャスト、その他基本情報
配給 | セントラル |
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制作国 | アメリカ(1940) |
ユーザーレビュー
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