P.N.「オーウェン」さんからの投稿
- 評価
- なし
- 投稿日
- 2024-06-13
かつて彼女が出演した「ジョンとメリー」で彼女の相手役をしたダスティン・ホフマンもこういう表情がぴったりだったが、この映画でのトポルは、その点、申し分のない人の好さそうなところを、実に自然に見せてくれる。
トポルが、無言のまま、ゼスチャーでミア・ファローをロンドン中を案内する、お伽噺のような味わいのあるシークエンスが、その意味で、観ていて、実にいい気持ちになるんですね。
ふぉろーみー
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かつて彼女が出演した「ジョンとメリー」で彼女の相手役をしたダスティン・ホフマンもこういう表情がぴったりだったが、この映画でのトポルは、その点、申し分のない人の好さそうなところを、実に自然に見せてくれる。
トポルが、無言のまま、ゼスチャーでミア・ファローをロンドン中を案内する、お伽噺のような味わいのあるシークエンスが、その意味で、観ていて、実にいい気持ちになるんですね。
このように、ストーリーそのものは、古風なお茶の間喜劇程度の材料で、特別新鮮味があるとも思えない。
1930年代、1940年代の風俗喜劇じゃないかとさえ思えてきます。
ただ、それが、花嫁にミア・ファローを配すると、ぐっと新鮮になって現代の空気感に満たされてくるし、探偵に「屋根の上のバイオリン弾き」で主役のテビエを演じたトポルを配すると、これがうまいのなんの、古いとか新しいとかいうことを抜きにして、心が和み、実に爽やかな気分にさせられてしまうんですね。
ミア・ファローは、何かあどけない子供のまま大人になったような女優で、バッチリとその大きな瞳を、いつも何かおねだりするような眼差しにしている。
相手役はそこで、きっとイイ子だね、何をあげようか? という顔をすることになるんですね。
この映画「フォロー・ミー」は、「第三の男」や「オリバー!」などの名匠キャロル・リード監督が、ピーター・シェーファーのひと幕ものの舞台劇を映画化した作品で、テーマ曲も大ヒットし、ロンドンの穴場的なスポットを回るロケーションも楽しい、ロマンティックな恋愛劇の佳作です。
映画自体は小粒ですが、さすがにキャロル・リード監督の素晴らしさを堪能できる作品だと思う。
権威主義に凝り固まっているイギリスの上流階級の青年が、野育ちであまり教養もないアメリカ娘をお嫁さんに貰ったのはいいが、花嫁はこの固苦しいばかりで退屈な上流社会の生活が気づまりで、毎日外出してぼんやりとロンドンの街中を歩き回る。
夫はてっきり、妻が浮気をしているのだと思って探偵をつける。
するとこの探偵が尾行しながら、すっかり彼女を愛してしまう。