渚にて 感想・レビュー 3件
なぎさにて
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P.N.「オーウェン」さんからの投稿
- 評価
- なし
- 投稿日
- 2024-07-14
※このクチコミはネタバレを含みます。 [クリックで本文表示]
戦争をリアルな戦争シーンとしてではなく、いわば”what-if”的なシナリオで描くような、婉曲的な表現方法が好まれたのかもしれないということです。
この映画の数年先には、キューバ危機のような事件も発生するのですが、「渚にて」という映画は、"戦争の無益さ"を描いた、東西冷戦時代の映画の先駆けだと言ってもいいのではないでしょうか。
いずれにしても、「渚にて」は常套的な手段に頼らない、非常に変わった印象のある映画であり、カテゴリー的には、時としてSFとして扱われることもありました。
だが、製作意図という見地から見た場合には、時代的背景も考え合わせてみれば、SFというよりは、もっとより現実感覚へのアピールという側面が強い映画だったのではないかと思います。
P.N.「オーウェン」さんからの投稿
- 評価
- なし
- 投稿日
- 2024-07-14
※このクチコミはネタバレを含みます。 [クリックで本文表示]
それから、放射能汚染による即時の生命の壊滅から免れた、地球上で唯一の国であるオーストラリアにも徐々に放射能が迫ってくるのですが、そこで営まれている生活が、最後の最後まで通常通り続いていく様を描いた後に、最後のシーンで、そのオーストラリアも無人の廃虚と化したシーンが写し出されます。
今まであったものがなくなってしまう様子を通じて、なんとも言えない虚無感、あるいは無為感が表現されているように思います。
こういう表現になったというのも、恐らくこの映画が製作された時代の、時代的な背景も一役買っていたのかもしれません。
もちろん、先ほど述べたような、東西の冷戦の初期の頃という背景もそうなのですが、この時代が、第二次世界大戦及び朝鮮戦争が終った後で、なおかつ、ベトナム戦争はまだ先であったという、中間的な時代であったということです。