突撃隊 作品情報

とつげきたい

1944年の秋。ジーグフリード要塞線に待機する予備軍があった。戦いに疲れた彼らは1カ月の休暇を貰ってよいほどの戦いをしてきたのだ。その隊には、かつて十字勲章を授けられたが、泥酔暴行の科で降等されたリーズ(スティーヴ・マックィーン)、彼の代わりに下士官に抜擢されたラーキン、戦利品をごっそり持って帰国しデパートを開こうなどと考えているコービー(ボビー・ダーリン)、小隊長ルーミス大尉(ジョセフ・フーバー)をゴマカして帰国しようとしているコリンスキー(マイク・ケリン)などがいた。しかし、帰国どころか彼らは最前線に持っていかれた。彼らの任務は要塞線主要部の閉鎖で、後続部隊到着まで独軍を釘づけにしなければならなかった。これは、1小隊の任務ではなかった。彼らは小隊を大部隊に見せなければならない。初めはうまく独軍をだましていたが、独軍の将校斥候によってアメリカ軍の陣地の全貌が発覚してしまった。独軍は一挙に撃って出るに違いない。リーズは先手をとって要塞を攻撃すべきと提案、コービー、コリンスキー、ヘンショーたちはそれに賛成であったが、ラーキンは要塞前の地雷原突破は無理として反対した。だがそのラーキンは見張中に戦死した。リーズは独断で、ヘンショー、コリンスキーを引率して敵地に潜入した。この無謀な行動は失敗、リーズだけが生還した。ルーミス大尉とパイク軍曹は、かんかんになってリーズを非難した。翌朝、独軍の襲来は目前に迫っていた。ルーミス大尉もリーズ案通り、先手をとらなければ孤立のまま全滅という情勢であった。ルーミス小隊は総攻撃を開始した。しかし、多勢に無勢である。小隊は完全に孤立してしまった。リーズは、昨日の責任を感じ、爆薬を抱いて要塞に躍り込んだ。独軍は壊滅した。ちょうど援軍が到着した時であった。

「突撃隊」の解説

ロバート・ピロッシュの原作を彼自身とリチャード・カーが脚色、「燃える平原児」のドン・シーゲルが監督した第二次大戦をめぐる戦争映画。撮影はハロルド・リップステイン。音楽はレナード・ローゼンマン。出演は「荒野の七人」のスティーヴ・マックィーン、「九月になれば」のボビー・ダーリン、「黄色い老犬」のフェス・パーカー、ほかにニック・アダムス、ジェームズ・コバーンなど。

公開日・キャスト、その他基本情報

配給 パラマウント
制作国 アメリカ(1962)
上映時間 90分

ユーザーレビュー

総合評価:4点★★★★、1件の投稿があります。

P.N.「オーウェン」さんからの投稿

評価
★★★★
投稿日
2024-05-12

この映画「突撃隊」は、若きスティーヴ・マックィーンが主演し、ドン・シーゲルが監督した戦争アクションだ。

上官への反抗で、士官から一兵卒に降格され、最前線に飛ばされたという設定が、まさにマックィーンにピッタリなんですね。

映画の前半は、前線に送り出された兵士たちの不満と、逆に元気はつらつとしてくるマックィーンとの対比で、兵士たちの個性を際立たせ、中盤は本隊が留守であることを隠すために、ジープを改造して戦車のような音を立てたり、敵の隠しマイクを利用して、偽の実況中継をしてみたりと、様々な手を使った騙し合いが、コミカルに展開していく。

白黒映画の89分と短いながらも、映画のツボを押さえたペース配分が、実に見事だ。
さすが、ドン・シーゲル監督、限られた予算でも、使い方次第でいくらでもスケール感は出せるという見本のような映画だ。

マックィーンが配属される分隊には、調達屋のボビー・ダーリンや、修理工あがりのジェームズ・コバーンがいて、思わずニヤリとしてしまいます。

最終更新日:2024-05-22 16:00:02

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