突破口! 作品情報

とっぱこう

曲乗り飛行のパイロットから農薬の空中散布屋に転向したチャーリー・バーリック(ウォルター・マッソー)は、実は銀行強盗だった。とはいっても狙う銀行は小物ばかりで、かっさらえる金額もせいぜい1万から2万ドルどまり、しかし頭のいいチャーリーはそれに満足していた。仕事は楽だし、追求もそう厳しくはない。3、4週間もたてばほとぼりもさめてしまう。だからこの日、若い妻ネイディーン、相棒のハーマン(アンディ・ロビンソン)、それからもう1人の手下を連れて小さな西部の町トレス・クルーセルの銀行を襲撃しに行った時も、別にいつもと変わったことが起きるとは思っていなかった。が、予想は大はずれ。逃亡用の車で待っていた妻のネイディーンが警官と撃ち合い、相手を倒し彼女も重傷を追うという事態にまで発展した。チャーリーとハーマンが何とか逃げのび、助かる見込みがないネイディーンを車に残したまま火を放った。隠れ家のトレーラー・キャンプに舞い戻ったチャーリーは奪った金が75万ドルもあるのを発見して呆然とした。あんなちっぽけな銀行にこんな大金がねむっている訳がない。マフィアの隠し金に違いない。チャーリーは何とか金を返したかったがハーマンの反対にあい、とりあえずメキシコへ高飛びすることに決めた。そこで彼は、土地の歯科医院に忍び込んで、ネイディーンの診療カードを奪い、彼とハーマンのカードの名前を書き換えた。その頃、銀行協会の会長でこの辺一帯のマフィアのボスであるボイル(ジョン・ヴァーノン)は事件の報告を受け、早速一味の殺し屋モリー(ジョー・ドン・ベイカー)を呼び寄せた。そして以前部下のヤング(ウッドロー・バーフリー)に盗まれた金を警察やFBIから隠すためにトレス・クルーセルへ飛んだ。モリーも売春宿を足場に暗黒街での顔を使ってチャーリーへの距離をせばめていった。チャーリーが写真家エバレット(シェリー・ノース)に偽の旅券を作らせている時、報復を恐れたヤングが自殺した。そのためにボイルの立場が微妙になった。仲間が彼を疑いだしているし、FBIに正体をあばかれる危険も出てきた。モリーが情報屋の線をたぐり、チャーリーをかぎつけた。それからハーマンに全てを白状させ、殺してしまったのだ。その頃、殺し屋と当局の手が迫っていることを知ったチャーリーは、着々と逃走の必需品を集めていた。彼は小さな飛行場からボイルに取引の電話をかけた。その部屋にはモリーもいた。チャーリーに逃げられたと気づいた彼は、ボイルから眼を離さないようにしていたのだ。彼はボイルがチャーリーの黒幕ではないかと疑っていた。小さな飛行場。ボイルが滑走路の中ほどで待っている。モリーは隣接した廃車置き場の陰に車に乗って息を殺していた。飛行機が着陸し、降り立ったチャーリーが親しそうにボイルの肩を抱いた。殺し屋が見張っているのを承知の上での芝居だった。それがモリーの疑惑を決定的にした。彼は車をスタートさせ、ボイルをはね殺してから、チャーリーが乗って逃げようとする複葉機に突っ込んだ。機は廃車置き場の上にさかさ落としになった。操縦席にさかさ吊りになったチャーリーは、助けてくれれば金のありかを教えるといった。モリーにせかされて、1台の車を示し、金はトランクの中だと教えた。車には爆弾がしかせてある。あけた瞬間、車が爆発し、モリーが吹っ飛んだ。チャーリー・バーリックは飛行機からおり、別に用意しておいた車のトランクをあけ、盗んだ札をふた掴みほど抜き取って、燃えている車に投げ込んだ。やがて残りの大金を乗せた車が走り出す。--歯科医のリストではすでに死んだことになっている人間に運転されて、だ。

「突破口!」の解説

町の田舎銀行ばかり狙って小金を稼いでいる銀行強盗の逃亡を描く。製作・監督は「ダーディハリー」のドン・シーゲル、ジョン・リース原作の「略奪者たち」を、ハワード・ロッドマンとディーン・リーズナーが共同脚色。撮影はマイケル・バトラー、音楽はラロ・シフリン、編集はフランク・モリスが各々担当。出演はウォルター・マッソー、ジョー・ドン・ベイカー、フェリシア・ファー、アンディ・ロビンソン、ジョン・ヴァーノン、シェリー・ノース、ノーマン・フェル、ベンソン・フォン、ウッドロー・バーフリーなど。

公開日・キャスト、その他基本情報

公開日 1974年6月22日
配給 ユニヴァーサル=CIC
制作国 アメリカ(1973)
上映時間 111分

ユーザーレビュー

総合評価:5点★★★★★、1件の投稿があります。

最終更新日:2024-06-18 16:00:01

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