P.N.「pinewood」さんからの投稿
- 評価
- ★★★★★
- 投稿日
- 2022-06-07
昨晩放送のNHKの映像の世紀 「因縁対決チャップリンVs独裁者ヒットラー」には本篇のメイキング秘蔵カラー映像も甦る…。凝りに凝ったラスト7分のスピーチシーンが何故生まれたかも証される。アメリカから追放されたその後のチャーリーの姿も
ちゃっぷりんのどくさいしゃ
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昨晩放送のNHKの映像の世紀 「因縁対決チャップリンVs独裁者ヒットラー」には本篇のメイキング秘蔵カラー映像も甦る…。凝りに凝ったラスト7分のスピーチシーンが何故生まれたかも証される。アメリカから追放されたその後のチャーリーの姿も
ラジオ深夜便「絶望格言」でのチャップリンの回,笑いこそ専制政治に対する最大の武器だとする名言は本comedyの諷刺とユーモアの精神哉
NHKBS放送PREMIUMcinemaにて再度視聴した…。冒頭の戦場の場面から戦争の諷刺ギャグが満載ー。短篇無声映画〈チャップリンの担え銃〉〈のらくろ〉の延長線上にある得意芸だね。圧巻は独裁者ヒンケルが地球儀から外した風船見たいな地球と独り戯れるシーンとラストの大演説
🎻NHKETV「らららクラシック」のハンガリーのチャールダーシュ特集を聴いて居て本篇の理髪店のシーンで用いられた伴奏曲が緩急自在な其れで有ったなあとチャールズ・チャップリンの天才振りが蘇って来たんだ
東京工芸大學公開講座アニメーションの中で紹介されたDisney映画にも勇敢なミッキーマウス&ドナルドダックが狼のナチスをやっつけるアニメーションが在った…。此方もチャーリーの本篇宜しく果敢で痛快なストーリー展開が愉しめる。と同時に日米開戦後は中国人風な日本人を諷刺した戦意高揚な勇ましき政治宣伝用アニメへと到る処も。日本アニメも技術は一際,秀逸ながら落下傘舞台を華麗な演舞見たいに美化して侵略の戦意高揚に務めた史実が有った
社会批評映画三部作の頂点にある「独裁者」を、チャップリン映画の最も偉大な作品に位置付けることに、吝かではない。それは、独裁者ヒトラーを自ら演じ捨て身で揶揄した作家魂が歴史的な意味を持ち、また一人二役の作劇の独自性が無理なく最後の”演説”を主張する独創的ドラマツルギーの故だからです。「モダンタイムス」で意味のある台詞を一言も発しないチャップリンが、滔々と語る愛の伝承は、サイレント作品「キッド」「黄金狂時代」「街の灯」にて実証済みです。ヒトラーの排他的民族主義を批判するために、数多くの愛の”世界言語”映画を創作した訳ではないのに。そこに、1889年4月同年同月生まれのチャップリンとヒトラーを運命付けた何かがあったことは、映画の歴史に刻印しなければならない。そして、制作段階ではアウシュビッツのユダヤ人迫害の真相を知る由も無かったことも、またこの作品を語る上で欠かせないことです。
映画が何故人類に必要か。チャップリンの答えは、戦争を無くすために誕生し今も未来もあるのです、と私たちに真剣に語り掛けます。
敢えて伏せ字の箇所を取調室で読み上げると云うシーンを設けてparody化した井上ひさしの戯曲〈組曲虐殺〉にはクライマックスで二人のチャップリンが登場する…。無声映画の大フアンで在った戦前の作家・多喜二へのオマージュが込められた場面には偉大なる映画人チャップリンの本篇との親和性が高く感じられる