P.N.「オーウェン」さんからの投稿
- 評価
- ★★★★☆
- 投稿日
- 2024-06-20
※このクチコミはネタバレを含みます。 [クリックで本文表示]
この映画「セント・アイブス」は、「ナバロンの要塞」のJ・リー・トンプソン監督、チャールズ・ブロンソン主演で、この二人が初めてコンビを組んだ作品なんですね。
事件記者から小説家に転向したが、なかなか芽の出ないチャールズ・ブロンソンのところへ、弁護士が1万ドルの仕事を持ち込んでくる。
富豪のジョン・ハウスマンが、盗まれた帳簿を取り返すために支払う10万ドルを相手に渡す役だ。
その金を持って指定されたハリウッドの自動ランドリーへ行くと、乾燥機の中で男の死体が回転しており、ブロンソンはタイミングよく通りかかった新米白バイ警官に逮捕され、刑事のハリー・ガーディノとハリス・ユーリンに警察へと連行される。
だが、部長刑事と友達なので釈放されるというのを皮切りに、実にいろいろな人物がめまぐるしく登場し、ブロンソンが度重なるピンチを切り抜けていくのが見せ場になっている。
この映画の中で一番面白いアクションは、廃墟ビルの上階からエレベーターの穴に突き落とされたブロンソンが、ケーブルにぶら下がり、下へ動き出した時、間一髪で途中の開いた口から飛び降りて逃げる一幕ですね。
ブロンソンは、小説家というのにハードボイルドの私立探偵そっくりの動きで、おまけにやたらと強い。
ま、ブロンソン主演のワンマン映画だから当然なのかもしれませんが。
ただ、ジョン・ハウスマンの邸を訪れ、美人秘書のジャクリーン・ビセットや主治医のマクシミリアン・シェルに会う場面には、ちょっとチャンドラー的なムードがあって、なかなか良かったですね。
物語は、ジョン・ハウスマンが実は頭脳的な犯罪者で、某国の重大取引に流れる大金を横取りする計画を立てるなど、お話は大変欲張った方向へ発展するんですね。
ランドリーに現われた新米警官が割り込んで来たり、ハリー・ガーディノと相棒の刑事がドライヴイン劇場で取引の大金を奪ったあげく、ジャクリーン・ビセットに撃ち殺されたり、そして、ドンデン返し的なラストまで、中身がいっぱい詰まっているので、観ていて退屈はしませんでしたね。