ザ・ドライバー 作品情報

ざどらいばー

その男『ドライバー』(ライアン・オニール)はエンジンをふかして賭博場の前で待っていた。賭博場から出てきたのは賭博の売り上げ金を強奪して逃げてきた覆面の男2人で、『ドライバー』は無表情に彼らを乗せ逃走する。『ドライバー』は銀行ギャングや強盗の逃走を請負うプロの逃げ屋なのだ。彼のドライブ・テクニックは巧みでベテランのパトカーも追いつけない。パトカーの必死の追跡からうまく逃げきり、仕事の依頼主から礼金をうけとるとそのまま無表情に消え去った。彼を執拗に追う『刑事(デイテクテイブ)』(ブルース・ダーン)はいつも捜査線上に浮かんでも現場と証拠をつかめない『ドライバー』の逮捕にやっきになっていた。そこで『刑事』はスーパーマーケットを襲撃した3人組の1人『眼鏡(グラス)』を捕え、『ドランバー』に罠をかけるべく取り引きをする。『ドライバー』に仕事を頼み誘い出すことに成功したら逃がしてやる、というのだ。『刑事』はそのためにナンバーを控えた札200万ドルを囮に使う銀行に用意させ、それを強奪させた。しかし欲にかられた『眼鏡』は『刑事』を裏切って仲間とともに200万ドルを一人占めにしようとし、それに気づいた『ドライバー』は、『連絡屋(コネクション)』と呼ばれる女を通して暗黒街に換金してもらい、逃走する計画を立てる。駅のロッカーを利用して行なわれる金の受け渡しには、『賭博師(プレイヤー)』という美女のギャンブラーをたてた。しかし、暗黒街の換金屋は列車の中で『刑事』に殺されてしまう。『刑事』は、計画通り駅にとって返し、別のロッカーに入れられた金を取りにきた『ドライバー』を捕えるが、驚いたことにカバンの中は空っぽだった。換金屋が『ドライバー』を騙し金をぬいてあったのだ。それが彼を救うことになったのだった。証拠がなく、今回もまた『ドライバー』は『刑事』の逮捕を免れた。

「ザ・ドライバー」の解説

夜のロスアンジェルスを舞台に、ギャングや強盗の逃走を請負うプロの『逃げ屋』ドライバーを中心に都会に生きる人々を描くカー・アクション映画。製作はローレンス・ゴードン、監督・脚本はウォルター・ヒル、撮影はフィリップ・ラスロップ、音楽はマイケル・スモール、編集はティナ・ハーシュとロバート・K・ランバート、美術はデビッド・ハバー、メイクアップはガリイ・リディアード、スタント構成はイベレット・クリーチが各々担当。出演はライアン・オニール、ブルース・ダーン、イザベル・アジャーニ、ロニー・ブレイクリー、マット・クラーク、フェリチェ・オーランディ、ジョセフ・ウォルシュ、ルディ・ラモス、フランク・ブルーノなど。

公開日・キャスト、その他基本情報

公開日 1978年9月2日
配給 日本ヘラルド映画
制作国 アメリカ(1978)
上映時間 91分

動画配信で映画を観よう! [PR]

ユーザーレビュー

総合評価:5点★★★★★、2件の投稿があります。

P.N.「オーウェン」さんからの投稿

評価
★★★★★
投稿日
2024-06-07

この映画「ザ・ドライバー」は、凄まじいカーアクションと刑事対ドライバーの虚々実々の駆け引きをクールに描き、アクション映画の原点を示した作品だと思います。

このクールで戦慄的な我々映画ファンを痺れさせる「ザ・ドライバー」は、チャールズ・ブロンソンとジェームズ・コバーン主演の「ストリート・ファイター」という小味なアクション映画を撮った、ウォルター・ヒル監督の第二回監督作品です。

銀行ギャングや強盗の逃走を請け負う、プロのゲッタウェイ・ドライバーのドラマですが、とにかく凄まじいカーアクションと、刑事対ドライバーの虚々実々の闘いに焦点を絞り、余計なものは一切描かれず、いわば、"アクション映画の原点"に戻ったような作り方であり、ムダな場面が目障りだった前作の「ストリート・ファイター」よりも、ずっと面白く出来ていると思う。

ロサンゼルスの街の地図を性格に頭に刻み込んだゲッタウェイ・ドライバー(ライアン・オニール)は、その鮮やかなハンドルさばきで、追跡してくるパトカーをまいて夜の闇に消えてしまう。

なんべんもそんな彼にキリキリ舞いをさせられた刑事(ブールース・ダーン)たちは、なんとかしてドライバーを逮捕しようと考えて、卑怯な罠を仕掛けるが、その罠にもかからないのだ。 まるで、マシーンのように冷徹なドライバー。 うす汚い人間性をむき出しにして、ドライバーの逮捕に執念を燃やす刑事。 この二人のコントラストにも迫力があり、彼らの闘いがドラマティックな興趣を盛り上げていると思う。 それまでの甘い二枚目からイメージ・チェンジしたライアン・オニールの好演も素晴らしいが、それ以上に印象的なのは刑事役のブルース・ダーンの怪演だ。 そして、フランスの演技派女優のイザベル・アジャーニがドライバーに近づく女ギャンブラーに扮している。 普通のドラマ設定なら、彼女とドライバーの間に恋愛感情が生じ、そのあげくベッドシーン-------となるはずなのだが、そういう余計なものを一切省いたところが、この作品の良さだろうと思う。

ロサンゼルスの素晴らしい夜景の中で展開される追いつ追われつのカー・チェイスは、凄い見せ場になっていて、アクション映画の魅力をたっぷりと堪能しました。

最終更新日:2024-06-17 16:00:03

広告を非表示にするには