最前線物語 作品情報
さいぜんせんものがたり
1918年、第一次大戦の終了時、4時間前に終戦になったことを知らない軍曹(リー・マービン)が、1人のドイツ兵を殺してしまった。そして第2次大戦の1942年、若い4人のヤンキー兵を率いた彼の姿があった。いずれも屈託のない素直な若者たちだ。まだ幼さを残すが、狙撃の腕は抜群のグリフ(マーク・ハミル)、痔が悩みのタネである農家の息子ジョンスン(ケリー・ワード)、音楽好きでサックス吹きの下町っ子ビンチ(ボビー・ディ・チッコ)、文学青年でヘミングウェイにカブれている小説家志望のザブ(ロバート・キャラダイン)らだ。彼らが所属するのは歩兵第16中隊の第1狙撃兵分隊である。軍曹が「殺人ではない、ただ殺すだけだ」と悟したことが影響したのか、彼ら4人は、苛酷な戦場にいても、悲愴感ひとつなく、まるでハイスクール生活を楽しんでいるようだった。彼らは北アフリカ戦線からナチス管理下にある南仏ヴィシー地区に上陸し、解放した連合軍とともに北アフリカに戻り、そこからドイツ軍と連合軍が激しい戦闘を行なっているシシリー島へと向かった。どこへ行っても不思議に生き残った4人は、ついに最大の戦闘ノルマンジー上陸作戦に参加した。そして、ここでも生き残った彼らは、ユダヤ人のゲットー解放までを共に迎えるのだった。それは軍曹が語る「戦場では生き残ることがモラルだ」という言葉が彼らの中に強く入り込んでいたためだったのかもしれない。
「最前線物語」の解説
第一次大戦に生き残った軍曹が、4人の若いヤンキーの兵士を率いてヨーロッパ戦線の最前線を転戦する姿を描く。製作はジーン・コーマン、監督・脚本は「ショック集団」のサミュエル・フラー、撮影はアダム・グリーンバーグ、音楽はダナ・カプロフが各々担当。出演はリー・マービン、マーク・ハミル、ロバート・キャラディン、ボビー・ディ・チッコ、ケリー・ワード、ステファーヌ・オードランなど。
公開日・キャスト、その他基本情報
公開日 | 1981年1月17日 |
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配給 | 日本ヘラルド映画 |
制作国 | アメリカ(1980) |
上映時間 | 110分 |
ユーザーレビュー
総合評価:5点★★★★★、2件の投稿があります。
P.N.「オーウェン」さんからの投稿
- 評価
- ★★★★★
- 投稿日
- 2024-06-01
この映画「最前線物語」は、サミュエル・フラー監督の最も野心的な作品で、彼自身が第二次世界大戦で経験した第一歩兵部隊での年代記となっている。
カルト映画で有名な異才サミュエル・フラーのこと、とにかく雄大なスケールの風変わりな戦争大作で、素晴らしく詩的なアイディアと強い感情と形而上的な意味が含まれている異色作だ。
1918年、終戦を知らず一人のドイツ兵を殺した男がいた。そして、第二次世界大戦中の1942年、激戦の北アフリカで、その男”軍曹”は、4人の新兵を含む歩兵隊16中隊第一狙撃兵分隊を指揮していた。
「僕には殺人はできない」という新兵に、「殺人じゃない、ただ殺すだけだ」と答える彼。やがてシシリー島からノルマンディー上陸作戦、そしてチェコのユダヤ人強制収容所の解放へと歴戦、”戦場で生きること”をモットーとする軍曹の教えのもと、若者たちは一人前の男に成長していく------。