おさな妻(1970) 作品情報

おさなづま

黛玲子は数カ月前、母を病気でなくし、みなし子になってしまった。親族会議の結果、伯母静江の家に引き取られることになった。母をなくした悲しみを、静江は優しくいたわり、今まで通り高校に通わせてくれたが、静江の息子淳一だけは、いかがわしい眼つきで玲子を見ていた。ある日、淳一が静江の留守中、学校から帰った玲子に乱暴しようとしたため、玲子はこの家を出る決心をする。行くあてもなく町をブラブラしている玲子に声をかけたのは由紀子というあまり売れない、小劇場の舞台女優だった。由紀子に事情を説明すると、こころよく、彼女のアパートにとめてくれ、翌日、安いアパートを紹介してくれた。静江の反対を押し切ってアパートでの一人暮しを始めた玲子は、再会した幼稚園時代の先生の紹介で通学のかたわら保育園で子供たちの面倒をみるアルバイトを始めた。生活のためとはいえ、学校を抱えてのアルバイトは苦しかったが、やがてそれもなれた。園児たちはすぐ玲子になつき、ことに母のないまゆみは、玲子を母のようにしたうようになった。やがてまゆみを間にはさみ、父親の吉川と玲子は食事をしたり、買い物をしたりする、楽しい時間を持つようになった。玲子は、吉川をまゆみの父親としてよりも、男性として愛情を感じ始めていた。吉川の強引な求婚に、玲子は高校生という自分の立場と吉川との年齢の開きに躊躇しながらも結婚に合意する。幸せな結婚生活が続いた。しかし、ふとしたきっかけで吉川の昔の恋人を知り、いまもなおその恋人が吉川を愛していることを知った玲子は、大人の愛憎の複雑さが理解できず自暴自棄になって結婚を後悔し、家庭を棄てようとするが、吉川の強い愛情を感じ、やがてまゆみと吉川との静かで平和な生活にもどっていった。

「おさな妻(1970)」の解説

「ジュニア文芸」に連載された富島健夫の人気小説を「でんきくらげ 可愛い悪魔」の白坂依志夫と安本莞二が共同執筆し、監督、撮影も同作の臼坂礼次郎と上原明がそれぞれ担当。

公開日・キャスト、その他基本情報

公開日 1970年11月12日
キャスト 監督臼坂礼次郎
原作富島健夫
出演関根恵子 新克利 坪内ミキ子 佐藤久里子 渡辺美佐子 真山知子 福田豊土 近江輝子 炎三四郎 藤道子 橘公子 三笠すみれ 桜井純子 八代順子 木島進介 花布辰男 三夏伸 甲斐弘子 喜多大八
配給 ダイニチ映配
制作国 日本(1970)
上映時間 86分

ユーザーレビュー

総合評価:5点★★★★★、1件の投稿があります。

P.N.「水口栄一」さんからの投稿

評価
★★★★★
投稿日
2020-05-20

私は冨島健夫さんの大ファンである。おさな妻は何よりもエキサイティングで忘れられない映画である。

最終更新日:2022-07-26 11:03:53

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