風の歌が聴きたい 作品情報

かぜのうたがききたい

幼い頃の病気が原因で聴覚障害という“個性”を持つようになった高森昌宏(天宮良)は、今、宮古島で開催されるトライアスロンに参加すべく、スタートの時間を待っていた。一方、昌宏の妻で同じく聴覚障害という“個性”を持つ奈美子(中江有里)は、産婦人科のベッドの中で出産の瞬間を迎えようとしていた。そんなふたりが知り合ったのは、中学2年生の時だった……。福島県郡山市に的屋の息子として生まれ育った昌宏は、全国の聾学校に手紙を出し、文通相手を募っていた。そして、その相手として白羽の矢(?)が立ったのが、北海道函館市に暮らす奈美子だったのである。しかし、ロックが好きでジェームズ・ディーンに憧れる昌宏と、物静かで絵画が好きな奈美子とは、趣味も性格も正反対。程なくして、文通は途切れがちになってしまう。そんなふたりが本格的に交際を再開したのは、高校生になった時だった。北海道へ奈美子を訪ねていった昌宏は、大沼公園でデート。手話で様々なことを話していくうち、いつしか互いのことを男と女として意識するようになる。やがて、高校を卒業した昌宏は大手自動車会社に就職し、東京近郊の工場に配属された。彼が聴覚障害者のトライアスロン同好会“東京パワーズ”に入会するのも、その頃だった。一方、奈美子は札幌のデザイン学校に入学し、その才能を開花させていたが、就職活動はうまくいかずにいた。不安な毎日を送るうち、奈美子の中で昌宏という存在が大きくなっていき、遂に奈美子は両親に黙って昌宏のいる東京へと旅立ってしまう。そしてふたりは同棲を始め、やがて結婚する。その後、昌宏のトライアスロン熱が過熱してゆく中、奈美子もトライアスロンに挑戦。聴覚障害者であること、更にトライアスロンという世界を共有することによって、ふたりは愛を深めてゆくのだった。そして、その愛の結晶ともいえる子供がいよいよ誕生するのだ。宮古島でのトライアスロンを立派に完走し、函館の病院に駆けつけた昌宏は、我が子の誕生に立ち会い、これからの人生を3人で手を取り合って生きていくことを固く誓うのだった。

「風の歌が聴きたい」の解説

聴覚障害という“個性”を持つカップルが、様々な困難を乗り越えて絆を深めていく姿を描いたヒューマン・ドラマ。監督は「SADA」の大林宣彦。脚本は、実在の聴覚障害を抱える夫婦をモデルに、「三毛猫ホームズの推理」の中岡京平と「旅の涯て」の内藤忠司と大林が共同執筆。撮影を「SADA」の坂本典隆が担当している。主演は「DOORIII」の天宮良と「あした」の中江有里。文部省選定、厚生省推薦、中央児童福祉審議会特別推薦、第10回東京国際映画祭特別招待作品。

公開日・キャスト、その他基本情報

公開日 1998年7月18日
キャスト 監督大林宣彦
出演天宮良 中江有里 勝野洋 入江若葉 及森玲子 石橋蓮司 左時枝 河原さぶ 古代真琴 岸部一徳 柴山智加 嶋田久作 林泰文 奥村公延 田口トモロヲ ベンガル 村田雄浩 峰岸徹 渡辺誠 高橋かおり 高嶋政宏
配給 ザナドゥー
制作国 日本(1998)
上映時間 161分

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最終更新日:2022-07-26 11:03:42

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