歌舞伎町で互いを渇望する若者3人--。小佐野彈の小説『車軸』を映画化

歌舞伎町で互いを渇望する若者3人--。小佐野彈の小説『車軸』を映画化1
歌舞伎町で互いを渇望する若者3人--。小佐野彈の小説『車軸』を映画化2

提供:キネマ旬報

セクシャルマイノリティ視点の短歌を多く発表してきた歌人で小説家の小佐野彈が、歌舞伎町に生きる若者の三角関係を綴った小説『車軸』(集英社文庫刊)が映画化。11月17日(金)よりTOHOシネマズ 新宿ほかで全国公開される。ポスタービジュアルと予告映像が到着した。

監督を松本准平(「最後の命」「パーフェクト・レボリューション」「桜色の風が咲く」)が務め、主人公3人を矢野聖人(『王様戦隊キングオージャー』『ラジエーションハウス~放射線科の診断レポート~』)、錫木うり(「衝動」『サワコ〜それは、果てなき復讐』)、水石亜飛夢(「鋼の錬金術師」『魔進戦隊キラメイジャー』「忌怪島」)が演じる。さらにリリー・フランキー、筒井真理子、奥田瑛二らが共演。
映画は第15回ライトハウス国際映画祭コンペティション部門に出品され、この先、マドリード国際映画祭2023外国語映画コンペティション部門、第18回クエンカ国際映画祭(FICC)コンペティション部門への出品が決まっている。

裕福な実家を「偽物だから」と嫌悪し、本物に憧れる真奈美(錫木うり)。友人にゲイの資産家・潤(矢野聖人)を紹介され、彼に連れて行かれたホストクラブで聖也(水石亜飛夢)と出会う。
ある日、潤に誘われてジョルジュ・バタイユの小説『マダム・エドワルダ』の朗読劇を鑑賞した真奈美は、主人公を甘美なエロスへ導く神・エドワルダの姿に、血が沸き立つような感動を覚える。
一人のホストを “共有” し、やがて互いを渇望するようになった二人の行く末は……。

〈コメント〉
矢野聖人/潤 役
今回「車軸」で潤役を演じています矢野聖人です。
2年前の夏、松本監督から直接「聖人!映画やろうよ」とお声掛け頂き出演が決まりました。
新しい取り組みや準備をして撮影した作品です。
いよいよ公開になるという事で、この作品が飛び立つ時が来たんだと嬉しく思います。皆様是非ご覧下さい。
錫木うり/真奈美 役
この作品に出会い、潤、真奈美、聖也という3人の存在が放つそれぞれの人間臭さに強く共感を抱きました。演じた「真奈美」と知り合う上で彼女の飄々と生きる真っ直ぐな眼差しを大切にしながら撮影に挑みました。
この作品に生きる3人を見つめ、他の誰の言葉でも無く、個として今をどう感じるかを問うきっかけになれば嬉しいです。
水石亜飛夢/聖也 役
自分とはあまり縁のなかった妖艶に輝くホストという職業。刺激的な世界を日常に落とし込むよう励みました。生き方もセクシュアリティも全く異なる3人。歪で切ないココロとカラダの重なりを感じていただけたらと思います。
原作者・小佐野彈
『車軸』は歌人の僕が5年前に書いた初の小説であり、その後小説家としても活動するきっかけとなった特別な作品です。形式を無視して1週間で書いた、この粗削りで暴力的な小説には、僕の抱えている切実なものの全てを詰め込みました。それぞれ僕の化身である真奈美と潤、そして聖也が、このたび映像として新たな命を与えられます。スクリーンの中で生きて動き、葛藤する彼らの姿にご期待下さい。
松本准平監督
世界がコロナに見舞われはじめた頃、この小説に出会いました。歌人でもある小佐野彈さんの新鮮で大胆な感性を通して、この作品ならば、今・自分たちが生きる場所のことを描くことができると直感し、心躍りましたが、同時にあまりにも複雑な人物たちの有様を捉えることは大変な挑戦でした。精鋭のスタッフによるゲリラ撮影を敢行し、演出方法を根本的に変更しましたが、なによりも、この作品に応え、自分の身心を使って登場人物たちを現してくださった役者の皆様に心から敬意を表します。
この作品が届けられることを幸福に思います。様々なことを感じていただけると嬉しいです。

「車軸」
出演:矢野聖人、錫木うり、水石亜飛夢、リリー・フランキー、筒井真理子、奥田瑛二
原作:小佐野彈 監督・脚本:松本准平
©「車軸」製作委員会 ©小佐野彈
公式サイト:https://shajiku-movie.com

最終更新日
2023-08-23 16:11:55
提供
キネマ旬報(引用元

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