祈り 幻に長崎を想う刻 感想・レビュー 1件

いのりまぼろしにながさきをおもうとき

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P.N.「ヒマなシニア」さんからの投稿

評価
★★★★
投稿日
2021-08-21

昭和20年代生まれです。友人に誘われ拝見しました。原作は読んでおりません。初めて長崎での原爆被害と信仰に対するテーマに接しました。冒頭に現れる傷痍軍人の姿から60年以上前の渋谷駅東口(現ヒカリエの前)の停留所で、何十人もの傷痍軍人がバス待ちの人に物乞いをする風景が頭に浮かび一気に画面に引き込まれ、話が原爆症に対する差別と後遺症に及ぶと小学生時代に原爆症の子供達が「原爆」「原爆」と呼ばれていて毎年多くの人が後遺症で亡くなっていたことを思い出しました。
原爆被害を政治利用する左翼系団体が跋扈する中、一途に信仰を貫き通そうとすればする程に、意にならないと見るや官憲を使い弾圧に転じる左翼の本質も垣間見せられました。
ラストは明治期の弾圧事件「拷問石と寒ざらしのツル」の一節と信者の一途に信仰を守り通す心がファンタジックに描かれ迫力を感じました。

最終更新日:2023-09-04 16:33:29

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