P.N.「オーウェン」さんからの投稿
- 評価
- ★★★★☆
- 投稿日
- 2023-12-15
この映画「血を吸う薔薇」は、当時、東宝映画の名物となっていた、山本廸夫監督のドラキュラもの。
もちろん主演は岸田森。しかし、この映画は、ハマープロのドラキュラというより、ヴァディム調でちょっと凝り過ぎの感がある。
八ケ岳山麓の女子学園から、健全そのものの青年教師(黒沢年男)がやって来た。
初日から、学長の邸に泊まったこの教師の身辺に、不思議な現象がまとまりついてきた。
死んだはずの学長夫人が現われたり、胸をはだけた女が現れたりと、このあたりは少しクルーゾーの「悪魔のような女」を思わせる。
そして彼は、この地方で二百年も前に転びバテレンとなった白人が、今や吸血鬼となっているのだが、その吸血鬼と対決することになる。
田舎の女子学園が舞台というのは、アイディアもので、しかも女の子たちだけの世界というのだから、「尼僧ヨアンナ」のような無気味さが漂っている。