象のいない動物園 作品情報

ぞうのいないどうぶつえん

敗戦の東京の町。戦争で父親と母親を亡くしたヒデ(十二歳)とミヨ子(六歳)、ヒデは靴みがきをしながらミヨ子を育てていた。ヒデは昔、両親に連れていってもらって見た上野動物園の象をどうしてもミヨ子に見せたくて、動物園に連れていったが、象の姿はなかった。象係の三吉さんにきいたところ、象のトンキーは戦争のために殺されたという。最初、トンキーはエサに毒を入れられたがそれを食べず、次に注射で殺されそうになったが、それもきかなかった。そこでエサを与えられず餓死させられた。ヒデはそれでもミヨ子に象を見せたくて、名古屋動物園にいくことを決心した。一所懸命に働き、お金をためるヒデ。そして象に会いに行こうとした日、大切なお金が盗まれてしまった。そんなとき、上野動物園にインドから象がやってくるというニュースを聞いた。インディラと名付けられた象は、大勢の人々に出迎えられ、行進する。その中にはヒデとミヨ子の顔もあった。

「象のいない動物園」の解説

第二次大戦中の昭和十八年、上野動物園の数多くの動物たちが殺された。やがて終戦を迎え、この事を知った子どもたちが、象を見たいと呼びかけ、インドからインディラという象を迎えるまでを描くアニメーション。脚本は「上海バンスキング(1984)」の斎藤憐、監督は「11ぴきのねこ」の前田庸生がそれぞれ担当。

公開日・キャスト、その他基本情報

公開日 1982年3月20日
キャスト 監督前田庸生
出演野沢雅子 松金よね子 常田富士男 丸山裕子 村越伊知郎
配給 ヘラルド・エンタープライズ
制作国 日本(1982)
上映時間 79分

ユーザーレビュー

総合評価:5点★★★★★、1件の投稿があります。

P.N.「水口栄一」さんからの投稿

評価
★★★★★
投稿日
2024-02-15

この映画を観て、とても感動した。これは何よりも心地よい作品だと思ったからだ。この映画では象が出てくるが、私は少年時代、祖父に京都の動物園に連れていってもらって、象を見た時の衝撃は決して忘れることができない。象はなんとも言えない不思議な魅力があったからだ。だが私が好きだったのは象だけではない。私はシカも大好きだったのだ。それは小学生の頃、椋鳩十さんの片耳の大シカという本と出会い、とても感動したからだ。この小説では片耳の大シカの雄姿が息をのむような場面の中で、美しくもりあげられていた。私は椋鳩十さんの動物へのあたたかい視線によって、シカも大好きになったのだ。それだけに動物をテーマにしたこの映画はひじょうに関心があった。素晴らしい作品だと思う。

最終更新日:2024-02-25 16:00:02

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