デモンズ’95 作品情報

でもんずきゅうじゅうご

北イタリアの小さな村バッファロラで、墓地管理人を務めるフランチェスコ・デラモルテ(ルパート・エヴェレット)は、人里離れたこの地で、毎日の仕事をこなすのが生き甲斐となっている。彼の唯一の友人で仕事の手伝いをしてくれるナギ(フランソワ・ハジー・ラザロ)は足が不自由で、おまけに容姿が悪く口がきけない小男だったが、優しい性格はフランチェスコの孤独を時として癒してくれていた。そんな平穏なある日、突如、不思議な疫病の影響か、墓に眠っていた死者たちが蘇るという事態が発生。フランチェスコは死人の群れと戦うが、周囲の人々は彼の作り話にすぎないと誰も相手にしない。毎夜、ゾンビとの戦いに明け暮れる彼の前に、ミステリアスな女(アンナ・ファルチ)が現われる。理想の女性像を見い出した彼は女に恋心を抱くが、彼女はゾンビの餌食となり、生ける死者の仲間入りをする。終わりのないゾンビの襲撃に、精神を侵され始めたフランチェスコに「生ある者を殺せ」と、死の声が毎夜囁く。そして死んだ女と瓜二つの女が、次々に彼の前に姿を現わす。死の世界からの誘惑に負けそうになったフランチェスコには、生者の世界もまた煩わしいものだった。彼は、ナギと共に村を去る決意をする。フランチェスコは、生と死について限りない自問自答を繰り返すのだった。

「デモンズ’95」の解説

墓地管理人の青年が、墓場より蘇ったゾンビと肉体と精神の両面で対抗し、苦悩する姿を描いた異色ホラー。クリムトやムンクとともに19世紀末に活躍した画家アーノルト・ベックリンの代表作『死の島』をモチーフに、ヨーロッパ世紀末のオカルト的世界観をビジュアライズしている。なお、「デモンズ」シリーズとは別個の独立した作品。監督は、イタリアンホラーの巨匠ダリオ・アルジェントに師事し、テリー・ギリアム監督「バロン」の第2班監督を務めた後、アルジェントの製作・脚本で「デモンズ3」「デモンズ4」を手掛けたミケーレ・ソアヴィ。ティツィアノ・スクラヴィの同名小説(未訳)を、ジャンニ・ロモーリが脚色。製作はソアヴィ、ティルデ・コルシ、ジャンニ・ロモーリの共同。撮影はマウロ・マルケッティ、音楽はマヌエル・デ・シーカ、SFXは「デモンズ」シリーズのセルジオ・スティヴァレッティが担当。主演は「アナザー・カントリー」「ダンス・ウィズ・ア・ストレンジャー」のルパート・エヴェレット。共演は、ヨーロッパで人気のミュージシャン、フランク・ハジー・ラザロ、一人三役のファムファタル的ヒロイン役にスーパーモデル出身のアンナ・ファルチら。94年度ダヴィッド・ディ・ドナテッロ賞最優秀美術賞受賞作。

公開日・キャスト、その他基本情報

公開日 1994年11月26日
キャスト 監督ミケーレ・ソアヴィ
原作ティツィアノ・スクラヴィ
出演ルパート・エヴェレット フランク・ハジー・ラザロ アンナ・ファルチ ミッキー・ノックス Clive Riche Fabiana Formica Katja Anton バーバラ・クピスティ ピエトロ・ジュヌアール Anton Alexander Patrizia Puzo Stefano Mascarelli
配給 コムストック
制作国 イタリア フランス(1994)
上映時間 103分

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最終更新日:2022-07-26 11:03:55

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