禁じられた遊び(1952) 感想・レビュー 2件

きんじられたあそび

総合評価5点、「禁じられた遊び(1952)」を見た方の感想・レビュー情報です。投稿はこちらから受け付けております。

P.N.「オーウェン」さんからの投稿

評価
★★★★★
投稿日
2023-11-09

第二次世界大戦は、さまざまな映画となって描かれてきましたが、この「禁じられた遊び」ほど、戦闘そのものをほとんど扱わないで、”戦争の悲劇”を描き切った映画を他に知りません。

ルネ・クレマン監督は「鉄路の戦い」や「海の牙」など、戦争の実態を透徹したリアリズムで描いてきましたが、この作品ではフランスの農村の人々の生活の中に”戦争の悲劇”を浮かび上がらせていると思います。

機銃掃射で両親を失い、避難民の群からもはぐれた少女ポーレットが、農家の少年ミシェルに助けられ、この二人の目を通して大人たちの世界、戦争の時代が描かれます。

ナルシソ・イエペスの哀愁を帯びたギターの旋律とともに、ポーレットが「ミシェル、ミシェル」とつぶやく言葉が、いつまでも私の脳裏から離れません。

P.N.「グスタフ」さんからの投稿

評価
★★★★★
投稿日
2019-10-06

純粋無垢な少女と少年の”十字架遊び”と大人のエゴイズムの”戦争”を提示した反戦映画の名作。また田舎の少年が都会から来た可愛らしい少女に抱く淡い恋心を繊細に表現した恋愛映画。戦火のパリを遠く離れた農村を舞台に、少女を引き取る農家が隣の家といがみ合う牧歌的なユーモアにも、利己主義に陥った大人社会への批判が感じられる。
「太陽がいっぱい」「居酒屋」のルネ・クレマンのリアリズムタッチによる、大人のためのおとぎ話。ブリジット・フォッセーのあどけない表情に自然な演技。哀愁を帯びたナルシソ・イエペスのギターの調べ。そして、心打たれるラストシーンの耐え難い虚しさ。永遠に語り継ぐべき映画の代表作。

最終更新日:2024-04-30 18:13:05

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