ゲッタウェイ(1972) 作品情報

げったうぇい

テキサスのサンダースン刑務所からドク・マッコイ(スティーヴ・マックィーン)が出所した。銀行強盗の罪で10年の刑に服していたのだが、4年間服役したところで突然釈放になったのだ。この釈放はドクにとって1つの取引でもあった。彼は、地方政界の実力者ベニヨン(ベン・ジョンソン)を相手取り、出所と引き換えに町銀行を襲い、奪った金を山分けして保釈金代わりに払おうというのだ。ドクを、愛する妻キャロル(アリ・マックグロー)が待っていた。4年ぶりに味わう自由のうまさ!やがて銀行襲撃の綿密な計画が立てられ、用心深いベニヨンは2人の殺し屋、ルディ(アル・レッティエリ)とジャクソン(ボー・ホプキンズ)を送り込んできた。決行の朝、ドクはキャロルの運転する小型トラックに乗り込み、銀行前のマンホールの真上に停めると、地下にもぐり銀行に通じる電力源を切断した。ルディとジャクソンが拳銃を携えドクが金庫から札束をバッグにつめ込んでいく。襲撃計画は成功したかのように思えたとき、ジャクソンが守衛の1人を射殺してしまった。タイミングよく、ドクの仕掛けた時限爆弾が爆発し、混乱に乗じてドクとキャロル、ルディとジャクソンは別々に逃走した。その途中、ルディは足手まといのジャクソンを射殺し、車から放り出すと、落ち合いの場所に急行した。ドクは、ルディが金を1人じめしようとしていることを知り、一瞬早く彼の胸板をぶち抜いた。ドクはルディが動かなくなったのを見届けると、ベニヨンが待つ農場に向かった。その場でベニヨンは、自分のような政界のボスがたかだか一介の囚人の出所にわざわざ手を貸したのは、魅力的なキャロルがいたればこそ、といい、暗に彼女との情事をほのめかした。その時、車で待っていたはずのキャロルがいつの間にか近づき、やにわにベニヨンを射殺した。ダガ、ベニヨンの言葉がドクに与えたショックは大きかった。怒りと屈辱--しかしいまのドクにはここを立ち去るしかなかった。車から列車に乗りついだ2人は駅のロッカーに金の入ったバッグを預けたが、鍵をすりかえられ、盗まれるというよきせぬアクシデントが起き、ドクの必死の探索で取り戻したものの、この1件でドクは指名手配の身となってしまう。一方、ドクに撃たれたルディは防弾チョッキのおかげで1命を取りとめ付近の獣医クリトンを脅迫して彼を追うためエル・パソに向かった。その頃“経理士”とあだ名されるベニヨンの弟(ジョン・ブライソン)もドクの行方を追っていた。指名手配になっていることを知ったドクはショットガンを買い求め、パトカーの追撃をかわしながらエル・パソのホテルに到着した。しかしホテルには一足先に着いたルディが見張っており、さらに“経理士”にも連絡がいき渡っていた。そんなことは知らないドクとキャロルは高飛びの用意もすませ、しばしの安らぎをみいだしていた。だがいつもと違うホテルの雰囲気に敏感に反応したドクは廊下にひそんでいたルディを殴り倒した。折しも“経理士”らがホテルに到着し、ドクのショットガンが火を吹くのを皮切りに、凄まじい銃撃戦が始まった。1人、1人、ベニヨンの一味が倒れていく。エレベーターからドクを狙った“経理士”も、逆にケーブルを切断され、床に叩きつけられた。窓伝いに逃げるドクとキャロルを、意識の回復したルディが狙った。だがドクは今度こそ止めの1発をルディに見舞った。無事落ちのびた2人は通りがかりの老人から小型トラックを3万ドルで買い取ると、国境を超えて南へ向かった。

「ゲッタウェイ(1972)」の解説

「ワイルドバンチ」「わらの犬」などの作品でバイオレンスの真髄を鮮明に捕らえたサム・ペキンパーが、「ジュニア・ボナー 華麗なる挑戦」に続いて再びスティーヴ・マックィーンとコンビを組み、組織に追われる男と女が必死で逃亡する姿を描く。製作はデビッド、フォスター、ミッチェル・プロウアー、脚色は「生き残るヤツ」のウォルター・ヒル、原作はジム・トンプソンの同名小説。撮影はルシエン・バラード、音楽はクインシー・ジョーンズ、編集はロバート・L・ウォルフが各々担当。出演はスティーヴ・マックィーン、アリ・マックグロー、ベン・ジョンソン、サリー・ストラザーズ、アル・レッティエリ、ボー・ホプキンス、ジョン・ブライソンなど。

公開日・キャスト、その他基本情報

公開日 1973年3月16日
配給 東和
制作国 アメリカ(1972)
上映時間 122分

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ユーザーレビュー

総合評価:5点★★★★★、4件の投稿があります。

P.N.「pinewood」さんからの投稿

評価
★★★★★
投稿日
2020-05-25

監督サム・ペキンパーのviolenceスローモーションが活きる本篇の魅力

最終更新日:2022-07-26 11:04:05

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