暗闇から手をのばせ 作品情報

くらやみからてをのばせ

障害者専門の派遣型風俗店“ハニーリップ”で働くことになった沙織(小泉麻耶)の出勤初日。“楽そうだし、身体が動かないから怖くなさそう”という軽い気持ちでこの業界に飛び込んだ彼女は、店長の津田(津田寛治)が運転する車で、客の待つ住宅街へ向かう。最初の客は全身タトゥーの入った進行性筋ジストロフィー患者、水谷(管勇毅)。彼の筋肉は次第に衰えて行き、最後には動かなくなるという。平均寿命は30歳。“34歳になっちゃった。いつまで生きてられるのかな?”ぶっきらぼうに語る水谷に、返す言葉を失う。常連客の中嶋(ホーキング青山)は生まれつき両手両足に障害を持ち、ほとんど自由が利かないが、性格は至ってポジティブ。本番をやらせてもらおうと必死な中嶋の話に、思わず笑ってしまう。津田と別れ、1人で客先を訪れた沙織がチャイムを鳴らすと、母親が息子の健司(森山晶之)の部屋へ招き入れてくれた。ところが、バイク事故による脊髄損傷で不具になった健司は、ランジェリー姿で跨る沙織を拒絶する。聞けば、若い女性から刺激を受ければ生殖機能が回復すると信じた母親が、勝手に連絡したらしい。部屋を出た後、忘れ物に気づいた沙織が彼の家に戻ると、健司の友人がいた。彼の無神経さに思わずカッとなり、恋人を装ったものの、逆に健司を深く傷つけてしまうのだった。ある日、ストーカーの小西(モロ師岡)によって、ラブホテルに監禁されてしまった沙織。津田に救われた彼女は、病院のベッドで目覚めると“仕事を続けさせてほしい”と懇願する。退院後、水谷の突然の死を知り、ショックを受けていると、街で車椅子に乗った健司に出会う。“あの日のことを謝りたかった”と告げる沙織を受け入れる健司。風俗嬢と客の関係を越えた繋がりを感じた2人は、朝日を見るためにトラックの荷台に揺られて真夜中の海へ向かう。それは彼らが、真剣に生きようとするきっかけになるはずだったが……。

「暗闇から手をのばせ」の解説

身体障害者専門のデリヘル嬢となった女性の目を通して、様々な障害者たちの姿と彼女自身の成長を描いたドラマ。出演は「踊る大捜査線 THE FINAL 新たなる希望」の小泉麻耶、「恋の罪」の津田寛治。ドキュメンタリー番組のディレクターである戸田幸宏が、自ら取材した内容を元に脚本を執筆、初監督作品として映画化した。

軽い動機から障碍者専門の性風俗店で働くことを決めた沙織は、初日から想像をこえる世界に大きなショックを受ける。全身に刺青の入った進行性筋ジストロフィー患者やバイク事故で自由を奪われた青年などに接しながら沙織の中に変化が芽生え……。

公開日・キャスト、その他基本情報

公開日 2013年3月23日
キャスト 監督戸田幸宏
出演小泉麻耶 津田寛治 森山晶之 管勇毅 松浦佐知子 ホーキング青山 モロ師岡
配給 SPOTTED PRODUCTIONS
制作国 日本(2013)
上映時間 68分

(C)2013 戸田幸宏事務所

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ユーザーレビュー

総合評価:2点★★☆☆☆、1件の投稿があります。

P.N.「ポレボレ」さんからの投稿

評価
★★☆☆☆
投稿日
2013-04-01

「健常者がなかなか越えることのできない、障がい者との壁を、障がい者同様差別されることのある立場の風俗嬢が、いとも簡単に乗り越えてしまう感動作」という批評を読んで、期待して観に行ったのですが、個人的には感動しませんでした。ただ、「健常者と障がい者に違いなんてない。みんなどこか欠けている」というさおりの言葉や、店長・津田の「この国は、障がい者には滅茶苦茶住みにくい」という言葉は心に残りました。

最終更新日:2022-07-26 11:03:29

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