故郷よ 作品情報

こきょうよ

4月26日、雨のプリピャチ。森林警備隊隊員のニコライ(ヴァチェスラフ・スランコ)は、葉が赤く変色したブナの木に異変を覚える。遊園地ではアーニャ(オルガ・キュリレンコ)と消防士のピョートル(ニキータ・エムシャノフ)の結婚式が行われていた。森林火災の報を受け、ピョートルは現場に直行する。夕刻、原発技師アレクセイ(アンジェイ・ヒラ)は原発事故を知らせる電話を受け、息子ヴァレリーと妻を街から避難させる。夜、アーニャと仲間たちは、発電所から立ち上る白煙を眺める。ピョートルは戻ってこなかった。27日朝、白い防護服を着た乗組員を乗せたヘリがやって来て、農民に退去を命じ、丸太小屋を除染し、家畜舎に火を放つ。アレクセイが街の肉屋の肉を計測器で調べると、高い放射線量が測定される。買物客に小声で忠告するが、誰も聞く耳を持たない。やがて雨が降り出す。アレクセイは傘を買い込んで人々に配る。アーニャはピョートルが搬送された病院へ行くが、夫は大量の放射線を浴びてモスクワに搬送されたと看護婦から告げられる。28日、軍が街に大挙し、住民は私物の持ち出しも禁止され、強制退去を強いられる。アレクセイは発電所近くで姿を消す。10年後、事故が起きた4号炉は、“石棺”と呼ばれるコンクリートの建造物で覆われている。30キロ圏内は立入制限区域となったが、実際は作業員や軍関係者、一部の住民が移住せずに生活を続けていた。アーニャは母とスラブティチに住んでいるが、月の半分は観光ガイドをしながらプリピャチで暮らしている。アーニャの体は変調をきたしていた。婚約者からフランスで暮らそうと誘われるが、夫の友人で“石棺”で働くディミトリ(セルゲイ・ストレルニコフ)に引き止められる。ヴァレリーと母親はアレクセイを弔うために、10年ぶりにプリピャチを訪れる。父の死を信じていないヴァレリーは街で手がかりを探すが、何も見つからないまま、警備隊によって強制退去させられる。そのころ、アレクセイは列車でプリピャチへ向かっていた……。

「故郷よ」の解説

チェルノブイリの隣町プリピャチを舞台に、原発事故の悲劇を描く人間ドラマ。立入制限区域で初めて撮影された劇映画。監督は、本作が初の長編劇映画となるミハル・ボガニム。出演は、「007/慰めの報酬」のオルガ・キュリレンコ、「カティンの森」のアンジェイ・ヒラ。第68回ヴェネチア国際映画祭批評家週間出品作品。

1986年4月。チェルノブイリの隣町プリピャチで、アーニャとピョートルは結婚式を挙げていた。同日、ヴァレリーは原子力発電所で技師を務める父アレクセイと林檎の木を植えていた。そんな時、森林管理人のニコライが通り、様子が変だと告げる。

公開日・キャスト、その他基本情報

公開日 2013年2月9日
キャスト 監督ミハル・ボガニム
出演オルガ・キュリレンコ アンジェイ・ヒラ イリヤ・イオシフォフ セルゲイ・ストレルニコフ ヴャチェスラフ・スランコ ニコラ・ヴァンズィッキ ニキータ・エムシャノフ タチアナ・ラッスカゾファ ジュリア・アルタモノフ
配給 彩プロ
制作国 フランス= ウクライナ= ポーランド= ドイツ(2011)
上映時間 108分

(C)2011 Les Films du Poissons

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ユーザーレビュー

総合評価:5点★★★★★、6件の投稿があります。

P.N.「pinewood」さんからの投稿

評価
★★★★★
投稿日
2022-04-07

原発が戦争やテロリストの標的とされる現代。原発事故のアフターを描いた本篇の様な希望と再生の物語に想いが及ぶ。隣国の核兵器の恫喝政策等と併せて。ヒロインのオルガ・キュリレンコも又ウクライナの出身

最終更新日:2022-07-26 11:03:29

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