鑑賞用男性 作品情報

かんしょうようだんせい

お洒落をして異性の鑑賞対象となるのは女性だけとは限らない--奇抜な鑑賞用男性論をひっさげて、デザイナー芦谷理麻はパリから帰って来た。反響は大きく、注文は殺到した。岸田国務大臣、革新党の北尾稲太郎、前衛書道家の桑村麻朱麿、それに義兄の原雅太郎が、まず鑑賞用服を着用した。理麻には、新しいデザインが閃くと空腹を感じるという習性があった。次に生まれたデザインは、母の経営する広告会社、広報堂の社員のユニホームになった。この珍妙なユニホームのおかげで、悲喜劇が続出した。反対のノロシをあげたのは、雅太郎の弟文二郎である。理麻を快からず思っていた彼はクラシック思想の持主で、社内で一人背広を着つづけていた。雅太郎夫妻のとりなしも空しく、二人は妥協しなかった。文二郎を応援したのは大学時代の同級生でファッション・モデルの園村亜矢子だった。力を得た文二郎は第二組合を結成して闘争にふみきった。文二郎ロウラクを狙う理麻は、能楽堂に姿を見せて、クラシック派の文二郎を喜ばせるが、鑑賞用服を着せようとする魂胆を見破られて、二人の仲は更に悪化した。亜矢子を先頭にした全学連が広報堂を囲んだ。手をやいた会社首脳部の会議で、文二郎は北海道転勤を命ぜられた。文二郎は、転勤よりも理麻との別れが辛かった。文二郎は亜矢子に泣き込んだ。デモまでしたのも文二郎が好きなためだったが、江戸っ子の亜矢子は引きうけた。だが理麻と話し合った彼女は、逆に文二郎との仲を励まされてしまった。翌日、このいきさつを知らない文二郎のところへ、理麻がかけ込んで来た。空腹になって彼を愛していたことがやっとわかったのである。--二人は新婚旅行に出発した。文二郎が鑑賞用服を着ているのを見て、人々は驚いた。

「鑑賞用男性」の解説

デザイナー中林洋子のエッセイから、水沼一郎が脚本を執筆、「黄色いさくらんぼ」の野村芳太郎が監督したコメディ。撮影は「外濠殺人事件」の中島信雄。

公開日・キャスト、その他基本情報

キャスト 監督野村芳太郎
出演有馬稲子 細川ちか子 楠田薫 十朱久雄 杉浦直樹 仲谷昇 日比野恵子 芳村真理 小林トシ子 三木鮎郎 三井弘次 石黒達也 渋谷天外 左卜全 上田吉二郎 木村天竜 水島真哉 松田和子 入江美樹 河原日出子 木村洋子 高島三枝子 桑野みゆき 津川雅彦 山本豊三 三上真一郎 川津祐介
配給 松竹
制作国 日本(1960)
上映時間 89分

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最終更新日:2022-07-26 11:03:49

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