人間の條件 完結篇 作品情報

にんげんのじょうけんかんけつへん

ソ連国境でソ連軍の攻撃を受けた梶の隊は、梶と弘中伍長と寺田二等兵を残して全滅した。三人はただ歩いた。やがて、川に出た。そこには避難民の老師教夫婦や、慰安婦の竜子と梅子、部隊から落伍した匹田一等兵たちがいた。彼らは梶の指揮に従って歩きはじめた。飢えから倒れていく者が多くなった。丘の麓に、永田大尉の率いる一個中隊が休息していた。女連れの梶たちをののしり、食糧すら与えなかった。しかし、かつて野戦病院で一緒だった丹下が隊にいて、乾麺包にありつくことができた。林のはずれに一軒の農家を見つけ、彼らは豚を煮て大休止をした。が、それも束の間、民兵が家を囲み、竜子は悲惨な殺され方をした。生き残った六人はやっと道路に出た。日本人の避難民が行き、赤軍のトラックが通る。倉庫のような建物に三十人ほどの避難民の女がいた。叔父の家から北湖頭の自分の家へ帰る姉弟と一緒になった。一緒に南満へ行こうと勧めたが、どうしても家へ帰るといい、匹田と桐原が送っていった。「あの娘は適当に扱ってやったよ」という桐原を、梶は怒って追い出した。平坦な地平線に開拓集落をみつけた。老人や女ばかりの避難民。日本兵はここにきては食糧を荒していき、女たちには黒パンをもってくるソ連兵の方がよかった。突如、ソ連兵が向ってきた。女の「やめて、ここで戦争をしないで」という叫び声に、梶は呆然として降伏した。梶はソ連陣地に連れられていった。収容所には桐原がいて、捕虜を管理していた。寺田が大豆を盗んだことが発覚して、桐原は寺田をなぐった。寺田は高熱に苦しんだ。梶は寺田のかわりに作業をサボって食糧をあさった。桐原はソ連将校に告口をし梶はサボタージュの罰として重労働を言いわたされた。森林軌道の撤去作業についた。収容所へ帰った梶は、寺田が桐原になぐり殺されたことを知った。その夜、梶は寺田の殺された便所の裏で桐原をなぐり殺した。梶は鉄条網を抜け出した。やがて、雪が降りだした。「美千子、僕は君のところへ帰るよ」とつぶやきながら梶は倒れた。その上に雪が降りしきった。

「人間の條件 完結篇」の解説

「人間の条件」第五・第六部で、その完結篇。脚色者に稲垣公一が加わったほかは、いずれも前作と同様のスタッフ。

公開日・キャスト、その他基本情報

キャスト 監督小林正樹
原作五味川純平
出演仲代達矢 新珠三千代 内藤武敏 諸角啓二郎 川津祐介 高原駿雄 清村耕次 広沢忠好 岸田今日子 瞳麗子 上田吉二郎 石本倫子 御橋公 南美江 坊屋三郎 中村美代子 須賀不二男 陳東海 金子信雄 平田守 菊池勇一 菅井きん 中村玉緒 真藤孝行 成瀬昌彦 陶隆 石黒達也 垂水悟郎 宇野重吉 高峰秀子 山内明 二本柳寛 トニー・パークス E・キーン
配給 松竹
制作国 日本(1961)
上映時間 189分

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最終更新日:2022-07-26 11:03:52

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