わが谷は緑なりき 作品情報

わがたにはみどりなりき

ギリム・モーガンの一家は、10歳の末っ子のヒューをのぞいて、すべて炭坑で働いていた。彼等はみな応分の収入があり、平和だった。家族の受ける給料は家長のモーガン老によって保管され、家庭のために決められた使途にあてられていた。長男のイヴォーは、新任の村の教会の牧師グラフィードの手でブロンウェンと結婚して、家を出て一家を構えた。だが平和な鉱山町も、経営者が労賃値下げを断行してから波乱が生ずる。モーガンの息子たちは組合を組織して戦おうとしたが、ギリム老は反対だった。息子たちはヒューとアンハラドをのこして、両親の元を去ってしまった。鉱夫たちはストライキにはいった。鉱山の管理人はモーガン老に、鉱夫のストライキを中止するような説得方を依頼したが、老人は断る。彼が事務所から出てくるところを見た鉱夫たちは、モーガン老が管理側についていると判断し快くおもわなかった。モーガン夫人は森の中で行われた鉱夫の秘密会議にゆき、夫を傷つけないように頼んだがその帰途凍った河におちた。が、動向のヒューに辛うじて救われた。ヒューは足にひどい凍傷をうけ、医者から再び歩行はできまいといわれるが、グラフィードはヒューを力づけ、少年は再び元気をとりもどすことができた。こうしてモーガン家に親しくなったグラフィードはアンハラドに愛情を感じてゆくようになるが、彼女の幸福をおもい、鉱山主の息子との結婚をすすめた。ストライキは終わったが、鉱夫の収入は依然として低かったので、モーガンの息子たちは渓谷の鉱山を去る決意をしていた。ヒューは学校に通うようになり、毎日みじめな日をおくっていたが、拳闘家だったデイ・ブランドとそのマネジャーのサイファーサと仲よくなり、拳闘を教わるようになってから昔のヒューに戻ってきた。モーガン家は昔のように楽しくなろうとしていたが、ブロンウェンの出産の日、イヴォーは坑内で事故のため死に、ヒューは学校をやめ、兄にかわって働くことになった。夫と南米に行っていたアンハラドも戻って夫の実家に暮らすようになったが、心ない召使いの口からグラフィードとの噂をたてられるがグラフィードの人格はその噂にも傷つけられることはなかった。やがてモーガン老も鉱山で死んだ。かつてはモーガン家の幸福を象徴するかにみえた緑の渓谷は、もはや昔の色を止めてはいない。

「わが谷は緑なりき」の解説

ダリル・F・ザナック製作になる1941年度作品で、「荒野の決闘」「果てなき航路」のジョン・フォードが監督し、同年のアカデミー作品賞、監督賞、撮影賞、男優助演賞、美術賞、装置賞をうけた傑作。リチャード・レウエリンのベスト・セラー小説より、「ボストン物語」のフィリップ・ダンが脚色し、「呪われた城」のアーサー・ミラーが撮影、音楽は「嵐ケ丘」のアルフレッド・ニューマンが書いた。「奥様武勇伝」のウォルター・ピジョン、「西部の王者」のモーリン・オハラ、「嵐ケ丘」のドナルド・クリスプ、「幽霊と未亡人」のアンナ・リー、「激闘」のロディ・マクドウォール、「旧友」のジョン・ローダー、「果てなき航路」のバリー・フィッツジェラルド、「凸凹探偵の巻」のパトリック・ノウルズ、「熱血児」のアーサー・シールズ等が出演している。

公開日・キャスト、その他基本情報

キャスト 監督ジョン・フォード
原作リチャード・レウェリン
出演ウォルター・ピジョン モーリーン・オハラ ドナルド・クリスプ アンナ・リー ロディ・マクドウォール ジョン・ローダー サラ・オールグッド バリー・フィッツジェラルド パトリック・ノウルズ Welsh Singers アーサー・シールズ ライス・ウィリアムズ
配給 セントラル
制作国 アメリカ(1941)
上映時間 118分

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ユーザーレビュー

総合評価:5点★★★★★、3件の投稿があります。

P.N.「pinewood」さんからの投稿

評価
★★★★★
投稿日
2021-05-14

ジョン・フォード監督の拘った結婚式での花嫁衣裳の白い風のシーン…。一連の情景が聖書物語見たいにも見え炭鉱の町の姿は空が殆んど写らないアングルで撮影されている

最終更新日:2023-05-25 02:00:02

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