小さな村の小さなダンサー 作品情報

ちいさなむらのちいさなだんさー

1961年、中国山東省の小さな村で7人兄弟の6番目として生まれたリー・ツンシン(ツァオ・チー)。家は貧しかったが、しっかり者で愛情深い母(ジョアン・チェン)のおかげで、気丈な少年に育つ。11歳のある日、学校に視察に訪れた毛沢東夫人の目に止まったリーは、北京の舞踏学校に入学する。離れ離れになる寂しさを耐えて息子を送り出す両親。だが入学後、レッスンに馴染めず落ちこぼれてしまう。そんな彼を見かね、密かに持っていた古典バレエのテープを渡してくれるチェン先生。バレエの美しさを知ってほしいという思いからだった。これをきっかけに、バレエにのめり込んでいくリー。だが、チェン先生は江青夫人の方針に逆らった疑いで捕えられてしまう。それは、2度と会えない別れを意味していた。時は流れて改革開放路線の中国。青年に成長したリーに、米国のバレエ団の研修に参加するチャンスが舞い込む。共産主義とは文化も言葉も異なる異国に戸惑うものの、片言の英語でダンスのレッスンに打ち込んでいく。ある日、負傷した人気ダンサーの代役としてステージに上がるリー。そこで見事なダンスを披露した彼は喝采を浴び、ダンサーとして認められるようになってゆく。さらに、ダンサー仲間のエリザベス(アマンダ・シュル)と愛し合うようになり、結婚。亡命を決意するが、その決断は波紋を呼び、強制送還の危機に。弁護士フォスター(カイル・マクラクラン)の協力を得て、何とか米国への亡命が認められるものの、厳しい条件が付く。2度と中国に戻れず、家族とも会えないというのだ。苦悩するリーだったが、自分の未来を信じ、この地で更なる修練を積むことを決意。市民権を得た彼は、バレエの世界で今まで以上の評価を得てゆく。その一方で結婚生活は破綻し、エリザベスは家を出て行く。寂しさから遠い故郷の家族に対する思いを募らせるリー。だが、そんな彼に奇跡の再会の日が訪れようとしていた……。

「小さな村の小さなダンサー」の解説

中国出身の名バレエダンサー、リー・ツンシンが自らの半生を綴った自伝を「ドライビング Miss デイジー」のブルース・べレスフォードが映画化。文化大革命後の中国に育ち、才能を見いだされて米国に渡った青年が、ダンサーとして成長する姿を描く。主演は英国バーミンガム・ロイヤル・バレエ団のプリンシプル、ツァオ・チー。

公開日・キャスト、その他基本情報

公開日 2010年8月28日
キャスト 監督ブルース・ベレスフォード
原作リー・ツンシン
出演ツァオ・チー ジョアン・チェン ブルース・グリーンウッド アマンダ・シュル カイル・マクラクラン グオ・チャンウ ホアン・ウェンビン ジャック・トンプソン
配給 ヘキサゴン
制作国 オーストラリア(2009)
上映時間 117分

ユーザーレビュー

総合評価:5点★★★★★、2件の投稿があります。

P.N.「コルドンルージュ」さんからの投稿

評価
★★★★★
投稿日
2010-10-01

実話であると知り観た。毛沢東政権下、バレエの世界でもバリシニコフやヌレエフを称賛するだけで反革命分子と見なされる時代、死をも覚悟しつつ国や家族を思い、心の葛藤がありながら踊る主人公リー。後半は涙が止まらず、心が揺さぶられた。20年以上前上映されたラストエンペラー。当時皇后役だったジョアンチェン、今回は母親役で光っていた。

最終更新日:2022-07-26 11:03:32

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