日本の首領 野望篇 作品情報

にほんのどんやぼうへん

昭和四十六年、一宮病院を退院した中島組組長・佐倉一誠の盛大な全快祝賀パーティが開催された。構成員四百団体、一万二千人は全盛時よりやや減ってはいるものの、国内随一の勢力を誇っていた。一時、危機に追い込まれた組をここまで再建したのは、一宮恭夫と松枝四郎であった。佐倉の退院を機に中島組の関東進出は急務となり、その第一歩として新組織「桜商事」を設立、その指揮に松枝が当った。「桜商事」の目的は中央の政財界に強力なコネクションをつけることで、最初の仕事がジャパンシップ乗っ取りの介入だった。これをいち早く察知したのは東京の暴力団の大物、松風会会長・大石剛介だった。大石は東京の暴力団を連合する「関東同盟」を結成し、右翼の巨頭・大山規久夫を顧問に迎えた。大山は後藤通産大臣に圧力をかけ、中島組が買占めたジャパンシップの株式の買戻しを強行する。「桜商事」の若宮洋一郎がこの事件の餌食となって殺された。これがきっかけとなって、中島組対関東同盟の抗争は表面化するが、中島組内部では辰巳の死以来空席となっている若頭の地位をめぐって、野心と思惑が入り乱れていた。佐倉は冷静に情況を見きわめ、松枝を若頭に抜擢し、その補佐に天坊信助を任命した。天坊は殺し屋を雇って、関東同盟の真光会会長を射殺するが、大石はこの挑発にのってはこなかった。一方、松枝は人気歌手や美女をスカウトして、東京に「シャングリラ」という秘密クラブを開き、ママには一宮の友人の姉小路尚子をすえた。尚子と松枝の才腕によって政財界の実力者や海外の名士に及ぶ多彩な客が集まり、中島組の事業は着実に拡大していった。その頃、ガルダスソネ共和国大統領アナンタが来日する。女好きの彼はシャングリラにも現われ、美女をあさった。ガルダネソス国営石油開発の利権を五光汽船に落とそうと企む松枝は、アナンタの歓心を買うべく生贄作戦に出るが、大統領の目に止まったのは、関西旅行中に怪我をした際、治療に当った一宮病院の看護婦、三浦かおるであった。アナンタは、かおるにのめり込んでいく。石油開発利権争奪で、一歩中島組に先を越された関東同盟サイドは、野党代議士に中島組に不利になるような情報を流し、打撃を与えようとした。結局、ガルダネソス石油資源開発の利権は関東同盟側が握り、その事業公団設立記念式典が盛大に行われた。中島組の巻返しは天坊一人の暴走となって火を噴いた。式典会場ロビーで待伏せしていた天坊の拳銃が大石に向けて発射された。弾丸は逸れたが、この一発は佐倉にとって、大きな敗因をつくる結果となる。それは、全責任を負った若頭・松枝の自殺だった。

「日本の首領 野望篇」の解説

全国制覇をめざし、東京進出を企てる中島組と、それを阻止しようとする関東同盟の争いを政財界の黒い相関図をからめて描く。脚本は「仁義と抗争」の高田宏治、監督は「日本の仁義」の中島貞夫、撮影も同作の増田敏雄がそれぞれ担当。

公開日・キャスト、その他基本情報

公開日 1977年10月29日
キャスト 監督中島貞夫
原作飯干晃一
出演佐分利信 東恵美子 折原真紀 高橋悦史 二宮さよ子 松方弘樹 成田三樹夫 野口貴史 鈴木康弘 丘路千 西田良 笹木俊志 星正人 志賀勝 福本清三 松本泰郎 成瀬正 にしきのあきら 藤岡琢也 田口計 小沢栄太郎 嵐寛寿郎 奈三恭子 阿波地大輔 市川好郎 津野途夫 内田朝雄 小池朝雄 白川浩二郎 木谷邦臣 矢部義章 田中浩 五十嵐義弘 佐藤慶 岩尾正隆 藤村富美男 疋田泰盛 小松方正 広瀬義宣 池田謙治 下茂山高也 金子信雄 浜田寅彦 芦田鉄雄 ユセフ・トルコ イフバル・ハニフ 渡辺文雄 有島淳平 渥美國泰 田島義文 中村錦司 安部徹 織田あきら 河合絃司 茂山千五郎 志摩靖彦 ジョジュワ・ローム 野坂昭如 橘麻紀 西村泰治 沢野火子 岡本ひろみ ひろみ麻耶 沙原里央 星野じゅん 東龍子 有川正治 唐沢民賢 大木晤郎 友金敏雄 宮城幸生 波多野博 青木卓 宮城健太郎 勝野健三 司裕介 鳥居敏彦 星野美恵子 森源太郎 岸田今日子 金沢碧 菅原文太 三船敏郎
配給 東映
制作国 日本(1977)
上映時間 141分

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最終更新日:2022-07-26 11:03:53

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