ザ・インタープリター 作品情報

ざいんたーぷりたー

ニューヨーク、国連本部。シルヴィア・ブルーム(ニコール・キッドマン)は通訳ブースの中で、聞きなれぬ言語を訳していた。マトボで生まれ、同地のクー語を話す彼女は国連の理念に共鳴し、5年前から通訳として働いていた。その日、会議の終了後に忘れ物を取りに戻った彼女は、何者かが「先生は生きてここを出られない」とクー語で話しているのを聞く。その後、“先生”がズワーニ大統領を指し、彼が数日後に〈マトボ問題〉を否定する演説を行うことを知ったシルヴィアは、その会話の件を通報する。やがて不審なアフリカ人が彼女の周りでうごめき始めた。しかし、彼女は自分の身より何者かの安否を気遣っていた。元首の暗殺計画と聞いて乗り込んできたのは、トビン・ケラー(ショーン・ペン)や女性捜査官ウッズ(キャサリン・キーナー)を中心とするシークレット・サービス(SS)の面々。ケラーは妻を亡くしたばかりだったが、心配する上司(シドニー・ポラック)を制して現場に復帰した。シルヴィアの身辺を調査して面談したケラーは、彼女が嘘をついていると直感する。言葉による外交を信じるシルヴィアと、すべてを行動で判断する捜査官ケラーは、岸の反対側にいるようなものだった。ズワーニ暗殺の動機を持つのは、平和主義者ゾーラと、ブルックリンで亡命生活を送るクマン・クマン(ジョージ・ハリス)の二人。FBIやCIAにズワーニの警護主任ラッドも加えた合同捜査態勢が敷かれた。一方、調査が進むにつれてシルヴィアの過去があぶり出される。彼女の両親と妹はズワーニの仕掛けた地雷で殺された。そして、ゾーラが先導する反体制デモに参加していた。問い詰めるケラーに、シルヴィアはクー族の格言を話してきかせた。「自分が憎んでいる者が溺れているとき、あなたは助けてやれる?」。復讐は悲しみの安易な産物にすぎない。クー族の人々は、命を助ければ悲しみから解放されると考えているのだ。その日、アパートに帰ったシルヴィアは、兄サイモンからもらったアフリカの仮面が壁からなくなっていることに気づいた。その直後、仮面を被った男が窓の外に現れる。通報を受けてやってきたケラーは、自分の心の痛みに耐えきれなくなっていた。ダンサーだった妻はケラーを捨てて男とともに去り、彼が運転する車の事故で死んだ。「もし男が生きていれば溺死させたい」。ケラーは苦しい胸の内をシルヴィアに告白した。いつの間にか、二人の間には愛にも似た絆が芽生え始めていた。SSはシルヴィアの向かいの部屋で張り込みを続けた。仮面に付着していた毛髪から特定された犯人は既に殺されており、同居していたジャン・ガンバが容疑者として浮かび上がる。そんなおり、シルヴィアに兄の友人フィリップ(イヴァン・アタル)から電話がかかってくる。公園で再会したフィリップに、彼女は兄の安否を尋ねた。クマン・クマンの部下から共闘しようとの連絡を受け、罠とは知らずにサッカー場へゾーラを案内したのはフィリップだった。しかし彼は、サイモンは行方不明だと答える。ケラーは勝手に部屋を出たシルヴィアを責めた。彼女はかつてゾーラを愛していたことを、ケラーに打ち明ける。ともに愛する者を失って傷ついている男と女。二人の心は安らぎを求めていっそう近づいていく。翌朝、シルヴィアはクマン・クマンと会うためにブルックリンへ向かった。同じバスに乗った彼女はクマン・クマンからゾーラ殺害の真相を聞き出そうとする。濡れ衣だと言う彼から兄の行方を調べる約束を取り付けたシルヴィアがバスを降りた直後、ジャン・ガンバが座席に置いていった爆弾が爆発する。 尾行中の部下を失ったケラーは、再びシルヴィアを問い詰めるが……。

「ザ・インタープリター」の解説

国連を舞台に、暗殺計画に巻き込まれる通訳の女性と、彼女を守る捜査官の姿を描くポリティカル・スリラー。「めぐりあう時間たち」でアカデミー主演女優賞に輝いたニコール・キッドマンと、「ミスティック・リバー」でアカデミー主演男優賞を獲得したショーン・ペンの初共演作。監督は「愛と哀しみの果て」のシドニー・ポラック。国連史上初、ニューヨーク本部内での撮影が行われた。

公開日・キャスト、その他基本情報

公開日 2005年5月21日
キャスト 監督シドニー・ポラック
出演ニコール・キッドマン ショーン・ペン キャサリン・キーナー イェスパー・クリステンセン イヴァン・アタル アール・キャメロン George Harris マイケル・ライト
配給 UIP
制作国 イギリス(2005)
上映時間 118分

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ユーザーレビュー

総合評価:5点★★★★★、4件の投稿があります。

P.N.「pinewood」さんからの投稿

評価
★★★★★
投稿日
2022-02-24

🌐本篇は国境紛争や人権問題での国連の動きが重要な現代社会を見据えた中でのシークレット・サービスと通訳者との張り詰めた緊張感が堪らない。監督シドニー・ポラック流のentertainmentが冴え渡った傑作!

最終更新日:2022-07-26 11:03:37

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