ブエノスアイレス 作品情報

ぶえのすあいれす

アルゼンチン。旅の途中で知り合ったゲイのカップル、ウィン(レスリー・チャン)とファイ(トニー・レオン)。やり直すため、イグアス滝へ向かって旅立つが、道に迷って言い争い、それが別れ目に。しばらく後。ブエノスアイレス。タンゴ・バーでドアマンをしていたファイの部屋に、傷ついたウィンが倒れ込んでくる。ウィンはしばらくファイの部屋に居候。だが、二人にかつてのような情事はない。傍若無人なウィンの振る舞い。怪我から回復したウィンは、コックをはじめたファイの留守中は外出が目立つように。ファイはパスポートを隠した。ウィンは怒り狂い、ファイに「返せ」と迫るが、ファイは取り合わない。ある日。ウィンの姿は消えていた。うつろな思いのファイ。だが、厨房の後輩チャン(チャン・チェン)は心を安らがせる。「僕の耳はいい。声だけで相手がどんな人だとか何でも分かるんだ」。裏通りでサッカーに興じたりと楽しい日々。やがて、やはり旅人のチャンは「世界の果てが見たい」と南米最南端を目指して街を去った。別れの夜。チャンはファイのメッセージを吹き込んだテープを持っていった。ファイの悲しみを捨ててくれるというのだ。ファイは香港へ帰る金を稼ぐため、夜の食肉処理場で働きはじめた。ウィンから電話があり、またパスポートを返せとメッセージがあるが、ファイはもうやり直す気はない。二人はすれちがうだけで会わなかった。金が貯まったファイは一人、イグアス滝へ。同じ頃。チャンは最南端の岬の灯台に。ファイの声にチャンは耳を傾ける……。1997年2月。ファイは香港へ戻った。戻る前。台北で、チャンの家族の店に立ち寄った。店の奥には灯台に立つチャンの写真が。ファイはこっそりそれを盗み取った。会いたい時は彼がどこにいてもいつでも会えるのだ。

「ブエノスアイレス」の解説

90年代を代表する映画作家、「欲望の翼」「天使の涙」のウォン・カーウァイが、南米はブエノスアイレスを舞台に、さすらうゲイの男二人の人生模様を鮮烈に綴った一編。デビュー以来一貫して香港を舞台にしてきたウォン監督が、初めて国外、しかもかねて彼が興味を寄せる、南米はブエノスアイレスを主要な舞台としてロケし、さらに初めて同性愛を題材に扱ったことも、話題となった。主演は香港はじめ中華圏を代表する二人の大スター、レスリー・チャンとトニー・レオン。撮影のクリストファー・ドイル、美術・編集のウィリアム・チョンは前作「天使の涙」に引き続いて参加した言わずと知れたカーウァイ組の常連。製作はカーウァイ、製作総指揮はチャン・イーチェン。また、アソシエイト・プロデューサーは、日本で「欲望の翼」以来国内配給を手掛けてきたプレノンアッシュ代表の篠原弘子と、T・J・チョン、クリストフ・ツァンの共同。製作主任はジャッキー・パン。衣裳デザインとして菊池武夫が協力している。音楽はエンド・タイトルの英語題同名歌を演奏するダニー・チョンの名前がクレジットされているが、劇中ではカエターノ・ヴェローゾ、アストル・ピアソラ、フランク・ザッパなど、ヴァラエティに富んだ選曲で聞かせる。「カップルズ」などエドワード・ヤン作品で売る台湾の若手、チャン・チェンがトニー・レオンにからむ若い男として共演。第50回(97年)カンヌ映画祭最優秀監督賞受賞。97年キネマ旬報外国映画ベスト・テン第6位。

公開日・キャスト、その他基本情報

公開日 1997年9月27日
キャスト 監督ウォン・カーウァイ
出演レスリー・チャン トニー・レオン チャン・チェン
配給 プレノンアッシュ
制作国 香港(1997)
上映時間 90分

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ユーザーレビュー

総合評価:5点★★★★★、1件の投稿があります。

P.N.「pinewood」さんからの投稿

評価
★★★★★
投稿日
2023-05-31

イグアスの滝のランタンのミニチュアの世界と壮大な大自然の景観とが男たちの星雲の如きぶつかり合いと友情或いは恋愛感情,喪失感とを伴って地球の裏側其のブエノスアイレスと云う都市での帰郷感情とともに

最終更新日:2024-03-11 02:00:06

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